Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

M-Rokkor 40mm F2.0 レビュー

イカミノルタCLと同時に入手したレンズ。本家ライカCLにはsummicron 40mmがセットとなっているが、レンズの差異はほとんどないようだ。


第一印象として、とにかく小さく軽い。しかし決してチープな作りではなく、絞り環やピントリングのタイトでスムーズな感触、鏡筒の質感など大変好ましい。

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肝心の描写だが、開放はやや甘いもののF5.6程度でかなりしまった絵になる。

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コンパクトさゆえ取り回しは大変よく、40mmという画角に慣れればこれ1本だけで旅行に出ることも可能。隠れた銘玉に間違いはない。

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開放が緩く、逆光耐性もないことが難点だが、それよりもこのレンズが単体で出回ることが少ないためCLとセット購入になってしまいやや高くつくことが問題かもしれない。

いずれにしても是非試してもらいたいレンズである。

 

MINOLTAミノルタ CLE + M-ROKKOR 40mm F2

MINOLTAミノルタ CLE + M-ROKKOR 40mm F2

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ライカミノルタ CL(フィルム)レビュー

1973年に発売されたコンパクトフィルムカメラミノルタと業務提携していたため、国内と海外で名称とロゴが異なるが、私の所有していたモデルはライカミノルタCL。ライカCLもライカミノルタCLも中身は同じだが、ライカCLにはデジタルもあるので、検索時などは少しややこしい。

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M5に採用されていた腕木式の露出計を内蔵、フレームは40mm、50mm、90mmで、主にキットレンズであるロッコールかズミクロンの40mmが標準レンズとなる。このレンズ、レンズ構成は同じなのだが、ズミクロンというブランド名が撮影者の主観を刺激するためか、描写はズミクロンの方がよいと言う意見をやや聞く。

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本体のサイズは大変小さく、ローライ35をひとまわり大きくした感じで取り回しも大変良い。

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Rokkor - M 40mm

巻き上げやシャッターフィーリングについてはやはりM3 M4 M5 M6などに比べるとややチープで軽い印象を受ける。また35mm枠がないため(このカメラに35mm枠があると他のライカが売れなくなると考えたのかもしれない)、もし35mmの画角が好きならば精査した方がよいだろう。

しかし、現在高騰するライカMマウントカメラ群の中では平均相場が未だ10万円を切っており、ボディにあまり執着がない方ならば是非おすすめしたい。

Leitz Minolta CL 1031479

Leitz Minolta CL 1031479

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Leica Summilux 35mm ASPH. FLE レビュー

イカ35mmレンズのフラッグシップモデル、ズミルックス。1960年に1stモデルが発売されて以来、4世代目になる。2010年にFLEを採用したモデルが発売され、これが現行にあたる。

Leica m4-P with Summilux 35mm f1.4 asph and Rollei RPX 400

レンズ自体は大変上品な質感と作りをしており、ラグジュアリーな雰囲気。ズミクロンに比べ重さはあるが、鏡筒の長さも抑えられており、他の大口径レンズに比べれば大変コンパクト。

デジタルを意識した設計のため、写りはとても現代的。開放で撮ると周辺光量落ちはあるものの、合焦部は大変素晴らしく、ボケもスムーズで、いわば独特の3Dエフェクトがある。

First Shot

イカのレンズ全般にいえることだが、解像度という点では国産のレンズ(シグマなど)にも及ばず、そういった意味で、野暮なことだが、オーバープライスなのは間違いない。

しかし大口径でありながら、このコンパクトさで開放から実用的なレンズはそうはない。レンジファインダーの基本原則である、手軽にその瞬間を切り取る、に基づいて設計されている。

そしてライカ独自の"緩さ"。人間的というのだろうか、絵に情緒がある。他社製色々なレンズを使った経験としてライカレンズにしか撮れない絵は間違いなくあると思う。

機会があれば是非使っていただきたいレンズであることは間違いないが、同スペックのCarl Zeiss Distagon 35mm F1.4 ZMも大変素晴らしいレンズなので、そちらも検討していただければと思う。

Upon a sunny afternoon

焦点距離 35mmと50mmの使い分け

キットズームレンズから脱却して単焦点レンズの魅力にハマった時、まず悩むのがどの焦点距離のレンズを買えば良いのかということではないだろうか。

超広角から望遠まで一通り触り、そして断捨離してきた中で、現在棚に残っているのは35mmと50mmのレンズのみ。ここで私なりの35mmと50mmの使い分けについて考えてみたい。

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LEICA SUMMICRON 35mm F2 / 50mm F2

 

35mm

率直にいって万能である。ほとんどのシーンで困ることなく撮影できる。近づけばポートレート、離れれば風景。特に旅先などで背景をある程度、場所が思い出として残るくらいに入れたポートレートを撮りたい場合、間違いない。室内でもある程度の広がりを残した撮影ができるし、大口径を使えば、浅い被写界深度を生かしたボケで、かなり雰囲気の良い写真が撮れる。

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Scotland / distagon 35mm F1.4

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難点は単調な写真になりやすいこと。普通に撮影すれば、当たり前だがかなり普通の写真が出来上がる。超広角のようなパースもないし、大口径といえどボケ量もそれほど多くはない。スナップや記念としては十分だが、もし作品等を作る場合は被写体選びから光の方向まである程度真剣に考察してから撮影した方がよいだろう。そういった意味では難易度の高い焦点距離だとも言える。

35mmは人気なので、各社大変多くの個性的なレンズが発売されている。色々試してみてシックリくるものを選ぶのもよいだろう。

 

50mm

35mmに比べて狭く、85mmに比べ広いというなんとも微妙なバランスの焦点距離で、標準レンズとされるのだが、個人的には望遠のカテゴリーに入ると考えている。

被写体が明確で、撮影が意図的なもの、ペットや家族を撮るなどの場合、大変お勧めする。実際、撮られた写真を見ると、35mmよりも訴えかけてくるものが多い。そういった意味ではさらに85mmなどがよいのだが、こちらは少し使いづらいことが多く、スナップ的で迫力ある写真を撮影するには向かない。やはり50mmの微妙なバランスが良い。

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EF50mm F1.4

そして50mmは風景撮影にも向いている。

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Summilux 50mm F1.4

 

But beautiful, Tokyo Japan

ただ広く撮るのではなく、撮影者が美しいと感じた部分を切り取り強調する時には狭い画角が役に立つ。風景写真家で有名なアンセルアダムスが好んで望遠レンズを用いたのもそのためだろうか。

50mmはさらに沢山のラインナップが揃っている。大口径のレンズも35mmに比べ安価で、楽しめる。

総括

私は35mmで撮るのが好きだが、最近50mmでもいいんじゃないかと思うようになってきた。撮れない範囲を無理に撮る必要はない。本当に必要なものだけ切り取る、そんな撮影者になりたいものである。
 

 

 

Leica M3 レビュー

イカM3は従来のバルナック型から改良を加えて製造されたMマウントボディの初号機で、1954年春に発売開始された。数字がややこしいのだが、M型はM3、M2、M1と続き、そしてM4から製造順が連番となる。現在はM10。

1954年当時の月給がおよそ3万円に対し、23万円で販売されていた。現在基準では200万超えくらいだろうか。高嶺の花だったのは間違いないだろう。

このカメラはあらゆる意味で既に完成されているカメラで、またユーザーレビューも沢山あるため今更だが、私が最初に購入したライカということで少し所感を述べたい。

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まずその外観。とにかく美しい。距離計、ファインダー、シャッタスピードダイヤルなどは整然とグリッドに沿ってレイアウトされており、現代基準でもかなりモダンな印象を受ける。

アンティーク品と同じく、機能というよりも存在そのものに価値があり、コレクターが多いのもうなずける。

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次に操作性。ライカM3にはダブルストロークモデルとシングルストロークとがあり、初期がダブルストローク。チャッチャッと親指で短く2回巻き上げる。

しかし私はどうもこれが苦手で、特に2回目が巻き上がっておらず、シャッターチャンスを逃すことがよくあった。その後シングルストロークも使ってみたが、比較してみると(失敗はあっても)ダブルストロークの方が使いやすく感じた。f:id:coalfishsholco:20171022120826j:plain

ファインダーの視野率はほぼ100%のため両眼開けたままで撮影ができるが、それと引き換えに表示される最小フレームは50mm。よって現在の標準である35mmを使いたい場合は、外付けファインダーか眼鏡付きレンズが必要となる。

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また撮影最短距離が90cm〜1mのため、最近のDSLRで最短30cmなどに慣れていると、テーブルフォト時などで使いにくさを感じるだろう。

そして見た目よりも大きく、重量もある。決して万能なカメラではない。購入する際は信頼できるお店でよく検討した方がよいだろう。

『ライカはM3に始まり、M3に終わる』といわれるが、その後いくつかのライカを使用した後では、この言葉はまんざらでもないなと思う。

是非。

 

LEICA ライカ M3 ダブルストローク

LEICA ライカ M3 ダブルストローク

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ONA Bowery レビュー

ONAのカメラバッグを使ってもう3年近くになる。

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カメラバッグらしくない外観と革のパーツ、サイズ感がちょうど良い。一眼レフを入れるにはやや頑張ってしまう感があるが、M型ライカならその他にフィルム、財布、スマホ、車の鍵などを入れても余裕がある。実際、ONAはライカ公式のカメラバッグとして認知されているようだ。

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写真のものはBowery。他のモデルも使用したことがあるが、ONAのバッグは総じて重たい。フルレザーのモデルなどは特にそうで、見た目は最高なのだが、夕方になると肩に疲労を感じることが多い。経験上私にとってはバッグの重さが1kgを超えたあたりで使いにくいと感じるようだ。リュックタイプは2kg程度でも平気なため、おそらくバランスの問題だと思われる。肩掛けタイプは特に重さを感じやすい。

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Billinghamのハドレーシリーズもイギリス製らしい誠実さがあり大変良くファンも多いのだが、私にはもう少し小ぶりな、やはりBoweryが性に合っている。

一眼レフ用にはIncaseのスリングバッグを使用している。ナイロン製で洒落っ気はないが、容量といい、軽さといい、不満はない。最初はスリングタイプに違和感を感じていたが、慣れれば背中から正面へとバッグの移動がスムーズにできる。海外旅行にも連れて行ったが、大変重宝した。

決局パーフェクトなカメラバッグは存在しないのだろうけど、いわば自然淘汰で考えると、時の洗礼を受け、現在クローゼットに吊るされているこのバッグ達が私にとってはお気に入りということになるのだろう。

ONA カメラバッグ THE BOWERY (Smoke) ONA5-014GR 国内正規品

ONA カメラバッグ THE BOWERY (Smoke) ONA5-014GR 国内正規品

 

 

思い出のカメラ:Nikon D40

また梅雨に逆戻りしたような天気が続いていて、せっかくの休みなのに外出もままならない。それで写真を整理していたらふと手が止まった。懐かしい。Nikon D40 で撮られた写真達。もう随分と昔になる。AF-S 18-55mm f3.5-5.6G EDII 付きのレンズキットで、確か当時7万円前後したと思う。

新婚旅行をきっかけに購入したカメラで、若い二人には結構な出費だったが、今写真を見直してみても、このカメラで撮影しておいて良かったと思う。色褪せない思い出が沢山詰まっている。

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Denmark

センサーは 600 万画素のCCDで、今の機種に比べればかなりオールドスペックだが不思議と違和感がない。良い写真かどうかはそれを観る者が評価することであり、カメラのスペックが決めるものではない。

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Finland

ズームレンズに飽きた頃に単焦点レンズを購入したりして楽しんだ。良き思い出のカメラ。

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Denmark

こういう素晴らしいカメラにまた出逢いたい。

Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ニコンDXフォーマット専用

Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ニコンDXフォーマット専用

 
Nikon デジタル一眼レフカメラ D40 レンズキット ブラック D40BLK