1960年にフォトキナでその姿をお披露目してから4年後の1964年販売開始。TTLスポット測光ができるということからSPOTMATICと名付けられた。50mmF1.4のレンズ付きで、販売価格はおよそ5万円。大卒の初任給が1万〜2万だったので、今でいうと60万円くらい?だろうか。かなり高価なカメラであったに違いない。
ちなみにこの時代、ライカはM3とM2が現行販売されていた。M3は当時およそ23万円。現在の価格なら300万円?くらいだろうか。とても買えない。現在70代くらいの方々がライカの中古が10万で買えるこの時代を信じられないと思うのも無理はない。
このカメラは年末のワゴンセールで500円で購入した。本体は頑丈で重く、同時に500円で購入したTakumar 135mmを装着した姿はビジュアル的にもサイズ的にも戦車(タンク)のようだ。
それで、標準レンズを探していたらTakumar 55mm F1.8 を見つけた。状態も良く、上寿司ランチ(with 日本酒?)程度の値段である。迷わず購入した。迷う必要は全くない。そして届いてから一応ライトで照らしてみると後ろ玉に菌糸が見えた。カビだ。拭いても取れないので内部だと思われる。
悩んだがとりあえずカビの写真を撮って販売元へメール。詳しいやりとりは避けるが、元の価格の6掛け程度でディール。
返品も考えたが、ヘリコイド、絞りリング共に動作はほぼ完璧だったこと、そして久々に工作にチャレンジするのもいいかもと思い分解清掃を計画した。
幸いなことにTakumarは作りが単純で初心者向きらしく、さらにWeb、YouTubeなどで検索すれば分解方法についてたくさん載っている。
しかし道具にあまりお金をかけたくないので吸盤オープナーのみ購入。今回は後ろ玉のみの清掃とした。
分解はスムーズに行えた。というよりもモノクロ自宅現像の時と同じで、実際にやってみれば大したことない、といった感じ。
後ろ玉の内部にカビ。カビは無水エタノール、そして倉庫にあった野口商事の強力カビ取り剤を使用。菌糸は根が張るというが、確かにしつこい。シルボン紙で丁寧に削り落とす。
完成。ややカビ跡が残ったが生きてはいないだろう。もし生きていたら野口商事に報告しよう。早速撮影開始。
カメラとレンズ合わせて数千円でこの描写。比べてはいけないが、ライカと比べてしまう。なんだか物の価値とは不思議なものである。
とにかくしばらくはこれで遊んでみよう。
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