Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

モノクロで撮る意味について

自家現像を始めると当然モノクロフィルムを買う機会が増えるのだが、ここで改めてモノクロ写真の魅力、そしてカラーでもモノクロ変換できるのになぜあえてモノクロフィルムを使うのか、について考察してみる。

モノクロの魅力については多くの書籍、ブロガーの方々が語っており、基本的には全てに賛同するが、最も共感するのは森山大道氏がAERAで語っておられた、

写すぼくの実感として、モノクローム写真には、多分に世界を象徴化し抽象化する感じがあり、カラー写真には、どこか外界を世俗化し風俗化する趣がある。

という見解だ。

自由度の高いモノクロ写真

私にとってはカラー写真はモノクロよりも支配的な感じを受ける。カラーに比べモノクロ写真は明らかに想像力をかき立てる。色彩が無い分、光や構図に着目できる。もちろんこれらはある程度写真について知識がある人間からの視点であり、一般的な人間から見たモノクロ写真は単純にお洒落な感じ、ぐらいなものだろう。けれども潜在意識の中ではどのような空間にも溶け込むことのできるモノトーンの魅力を感じているはずである。

光に対して純粋に向き合える

フィルム写真は趣味性の高いものであり、デジタル写真を撮る時とは心構えが明らかに異なる。その中でもモノクロでしか撮れないモノクロフィルムを購入し、装填し、シャッターを押すという行為には何か特別な心理状態が働くように思われる。

カラー写真は後で簡単にモノクロに変換できる。つまり選択肢が2つあり、おまけにトレードオフの関係ではなく同時に好きな時に享受することができる。反対にモノクロフィルムで撮ったものは、AIでそれらしく変換は可能だが、基本的にはカラーにすることはできない。光と構図のみで勝負する、いかにも日本の武士道に似た精神ではないだろうか。

世界の見え方が変わる

渡部さとるさんが著書で書いておられるように、モノクロ写真にどっぷり浸かると世界をトーン(濃淡)でしか見なくなるという感覚。長波長や短波長は濃く、中波長は薄いトーンができ、あとは明度のみ。世界をよりシンプルに単純化して捉えるには良い経験である。

www.satorw.com

フィルム単価が安い

いきなり実利的な話で恐縮だが、自家現像を行うことを前提に考えると、カラーフィルムを買うよりもモノクロフィルムの方が安くなる。これまで経験したカラーフィルムの最安値は150円ぐらいだが、現像が600円くらいかかるのでトータルでは800円前後となるだろう。モノクロフィルムは1本600円前後で買え、自家現像すれば可能な限り安くはできる。しかし以前にも書いたように、私にとって写真は仕事ではなく趣味なのでコストのことよりも大切なことは、いかにその瞬間を満足できるかである。

人間は想像できる唯一の動物である

Victoria Braithwaiteの著書“Do Fish Feel Pain?(魚は痛みを感じるか?)"によると、魚には未来を予測する能力があるらしい。しかし予測はできても想像、空想はできない。それらができるのはおそらくヒトのみだろうとしている。想像、空想はヒトのみに許された最高の贅沢かもしれない。

カラーだろうが、モノクロだろうが写真は想像力をかき立てるものだが、カラーとはまた違った感じを受けるのがモノクロ写真である。これからもぼちぼち楽しんでいきたい。

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Leica M3 Summaron 35mm across 100 Chigasaki beach

 

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Leica M3 Summaron 35mm across 100 Chigasaki beach

 

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Leica M3 Summaron 35mm across 100 Tokorozawa

 

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Makina67 across 100

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