Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

フィルム増感現像あれこれ

モノクロフィルムの増感現像(Push process)について。備忘録も兼ねて。

Tokyo night

増感現像とは現像時間を規定よりも長くすることでコントラストを強調する方法で、増感現像されたネガは濃くなり、ハイライトはより白く、シャドウはより黒くなる。増感のもう1つの利点は増感現像を前提に撮影する場合、ISO感度を上げたと想定して絞りやシャッタースピード(SS)を設定できる。

例えばISO400のフィルムを使ったとして、このフィルムをISO1600へ増感現像すると決めているならISO1600と想定して撮影する。露出計が付いているならばISO1600にセットする。当然絞りやSSはより高い値に設定することになる。サニー16ルールに基づいて、日中ISO400 / F11 / SS 1/500 が適正露出ならば、2段ほど上げてF16で撮影するといった具合である。

Tokyo night

増感現像はフィルム単位で行うため、撮影前にどれだけ増感したいのかを決めたら最後の1枚を撮りきるまで変えることはできない。そして当たり前だが、増感現像は決してISO値を物理的に上げているわけではないので、暗い場所でISO400をISO1600と仮定して撮影してもシャドー部をRAWファイルのごとく回復させることはできない。わずかにコントラストを強調して輪郭をはっきりと浮き立たせることは可能なので、シャドー部に埋もれていたわずかな光の輪郭を物の姿形として表現することは可能である。

Tokyo night

今回は夜の東京、銀座の撮影にチャレンジしてみた。増感は思い切ってISO3200に設定。結果としてはかなりコントラストが強調され、特に夜景では光と闇が完全に分離した状態となった。

海外の写真家ブログを読むと皆さん増感が大好きなようで、モノクロはコントラストの強調という考えがあるように思われる。どちらが好きかは個人の好みによるが、一つの手法として増感現像、是非。