Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

GR II は初心者向けのカメラではない話

昨年(2017年)の12月の忘年会で少しスピーチをすることになった。マイクを持った自分の姿を見る機会はあまりない。それで記念になると思い女性社員に「とりあえずボタン押せば撮れるから」とだけ伝えてGR IIを預けた。1億総カメラマンの時代、設定さえ間違えなければ誰にでも写真は撮れるだろう。

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GR II

私は記念写真を誰か別の人、例えば店員さんなどに頼む時、事前にMモードかSS優先に設定して渡すことにしている。Pモードでもよいのだが、コンデジのPモードは大抵ISOをなるべく上げないようにして、代わりにSSを下げる方向に設定される。このため光量の足りない室内撮影ではISO 400据え置き、1/40などに自動で設定される。おそらくセンサーサイズが小さなデジカメは暗所に弱いため、ISOを上げることで発生するノイズに対してのユーザー(初心者など)からのクレームを避けるためだろう。

とにかく1/40や1/30は多くの場合、カメラの構え方の基本を学んだ事のない素人なら間違いなく手ブレが起こる。私は何度もこれを経験しているため、SSは最低1/60、手ブレしそうな人だなと直感的に感じた場合は1/125にして渡す。

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GR II

会場は薄暗く、数枚試し撮りしてISO 3200 f2.8 1/60が適正露出と判断した。このままでもよいのだが、前述のSSの問題が心配で、ISO 6400 f2.8 1/125にして渡した。

彼女は店内を歩き回りしばらく試し撮りをしていたが、「〇〇さん、なんか撮れる写真がすっごく暗いんですけど。。」とすぐに戻ってきた。

おかしいなと思って設定をみるとSSが1/1000まで上がっていた。私のGR IIは前方のダイヤルをSS、手前のダイヤルを絞りに設定している。おそらくシャッター時にダイヤルに手が触れてしまったのだろう。

説明するのが面倒なので、SS優先で再び1/125設定、ダイヤルには触れないように、と念を押してから再び手渡した。それにSS優先なら多少ダイヤルをいじられても、少なくとも真っ暗にはならないだろう。

「オッケーです!」と去っていく彼女の後ろ姿に一抹の不安を抱きながらも、原稿の暗唱に集中した。なにぶん慣れないスピーチで緊張もしている。

予感は的中した。再び彼女が戻ってきて、

「〇〇さん、なんか撮れる写真が、また、すっごく暗いんですけど。。」

私は虚ろな目をしながら再び背面モニターを確認した。そこでハっとした。

「ズームしようとしたら暗くなっちゃうんです。。」

彼女がいじっていたのは露出補正バーであった。なんと、マイナス4まで下がっている。しまった。説明するのを忘れていた。これはズームできないのッ。あまりにも多くの時間を単焦点に慣れきっており、それが普通になっていた。一般のコンデジはほぼ100%ズーム機能が付いているではないかッ

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「ごめん、これはズームできないから自分で動いて、できるだけ近づいて撮って。それからシャッターボタン以外のボタンにはさわらない方がよいと思う」


その後なんとかスピーチも終え、写真もまあなんとか撮れていた。しかし1/125のシャッタースピードが1/30になっており、手ブレ写真も多かった。恐らく触ったのだろう。やはりGRは素人向きのカメラではないな、と感じた出来事だった。