Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

GRとビギナーズラック

多くの人がそうであったように、大雪の翌日の朝は早起きして仕事に向かった。ファインキャプチャーを狙う意図はなかったが、記念に写真を撮っておこうと近所の公園に寄り道した。フィルムライカを持って行こうと思ったが、片手で撮れないこと、やや吹雪いていたためレンズやボディに対するダメージを考えてGRIIにした。

放射冷却の影響だろうか、公園に沿って流れる川からは霧が立ち上っており、日の光が差し込むにつれて霧は美しい光のベールとなり、辺り一面を淡い金色に包み込んだ。あまりに美しいので直ぐにポケットに入れたGRで数枚の写真を撮った。暖をとるように集まっていた鴨の群が一斉に飛び立ち、逆光で幻想的なシルエットを作り出していた。

公園に入るとパウダースノーが風で舞い上がり、光に反射して霧の絨毯のようになっている。見慣れた光景がいつもとは全く違って見えた。シャッタースピードを1/250にして逆光になる位置を探しながら数枚をショットする。シャッターを押す右手には手袋をはめていないため指先が凍りつく。すぐにGRと一緒にポケットに手を入れる。コンパクトサイズのGRならではだろう。
前置きが長くなったが、とにかく撮った写真をFlickrにアップした。

Snowy park

特に評価を付けてもらいたい訳ではなく記録としてflickrを利用しており、スターは毎回数個程度しか見たことがない。それでも下手なフィルム写真を良いと思ってもらえるだけでも嬉しい気持ちはある。しかし、この写真をアップして、気づいてみるとスターが100を超えており、およそ24時間でviewerが3000人を超えた。(おそらく)それなりの写真のみ掲示するグループへの招待も数件あった。これは私にとっては異常事態であるが、まあなんとなく、これはやはりGRの効果かなと考えている。もっとも、数年ぶりの大雪であったこと、その翌日が晴れたこと、放射冷却現象が起こったこと、そして何よりその時その場に私がいたことは運以外の何物でもなく、まさにビギナーズラックである。しかしもしこれがフィルムライカならばここまでの盛り上がりはないだろう、とも考えている。

個人の意見になるが、世界の多くの国々は貧しく、統計的には1日1.9ドル以下で暮らす人々はおよそ7億人おり、世界の富の80%は1%の富裕層に集中しているという。日本は借金大国なので、普通に働いていれば大抵の高額な商品はローンなどで購入できる。カメラも同じで、高額な最新機種でもその気になれば手に入る。しかし日本以外の国では皆それほど高価ではない、時に中古の安価なカメラで写真を楽しんでいるのではないだろうか。

もちろんGRは安いカメラではないが、カメラを趣味にする人からすれば高くて手が出せないほどではない。実際GRマニアは世界中にいる。

高くて美味いは当たり前で、安くて美味いから意味があるのと同じで、高価な機材なら良い写真が撮れて当たり前で、むしろ安価なカメラで素晴らしい写真を撮ることに意味があると考える写真好きの人達がこのGRIIで撮った写真にスターをつけている、そんな気がして、物欲の激しい自分をやや反省する出来事だった。