Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

ライカと90mm (テレエルマリート 90mm fat)

イカ、というかレンジファインダーにおける中望遠〜望遠レンズの立ち位置は微妙だ。ファインダーが狭くなる上、一眼レフと異なりファインダー像は全く変化しないため、例えばbokehの程度がどうであるとか、結果のシュミレーションができない。
そしてこれはフィルムカメラ全般にいえることだが、手ブレの問題がある。そもそも望遠になればなるほどシャッタースピード>レンズの焦点距離の法則が重要になってくるのだが、ISO固定のフィルムでは限界がある。ISO400では例え大口径のレンズであっても黄昏時にss 1/15で撮影することなどざらであるし、たとえそれが90mmでもフィルムグレインがブレをややごまかしてくれるため案外上手く撮れているものであるが、基本は真っ黒写真になるよりまだマシ、という感じの撮影でないだろうか。

私が初めて買ったライカの90mmレンズは沈胴式エルマーである。f4ではあったが時代を感じさせないシャープさには何度も目を奪われた。しかし幸か不幸か90mmという画角が前述の不便さと合致してしまい結局手放してしまった。今思えば勿体無いことをしたものである。しかしやはりライカの望遠レンズの素晴らしさに惹きつけられ、現在はテレエルマリート 90mmの初期型、いわゆるfatタイプと呼ばれるものを使っている。そしてこれが大変面白く、気に入っている。

Tele-elmarit 90mm fat

レンズの話をするとtele-elmarit 90mmは開放f2.8であり、工芸品のようなローレットの美しい初期型、レンズ枚数を減らして全体的に軽量化(100gも!)を実現した2ndがある。いずれも大変コンパクトで、標準ズミルックスと同じ程度の大きさである。2ndはややコントラストを高めているようだが、重量と作り以外では両者差異は感じられない。開放はやや甘く、絞り込んでも盛大なレンズフレアが発生する。上手く使えば現代のレンズにはない表現が可能だろう。
購入時、初期型、2ndともに同じ価格で状態の良いものがあった。どちらかというと2ndはclinical(実用的)として海外でも人気があり、初期型はコレクターアイテムに近い扱いになっているようだが、やはりライカ黄金期のデザインと作りの良さに惹かれて初期型を購入した。どうせ出番の少ない90mm、使うときはビジュアル、感触共に最上の時間を共有したい。一杯のコーヒーを焙煎仕立ての豆からドリップするように。

Now and forever (Tokyo Shibuya)

90mmをしばらく使ってみて、適度な距離感と圧縮効果があり被写体がはっきりしている場合は50mmと同等かそれ以上の取り回しの良さを感じた。そして画角慣れというものがあるのならば、使い込んでいくうちに標準レンズと同じ感覚となるだろう。特にtele-elmaritのコンパクトなサイズはこれ1本で旅にでも出れそうである。

The person you wait for...(Tokyo station)

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Wall

しかし、レンズが増えつつある今日この頃、one camera one lensの目標にはまだまだ届きそうにない。。

Tokyo