思えばフォクトレンダーという会社というかブランドは個性的だと思う。それはかつての富士重工(現 SUBARU )のように、マニアックなニーズに特化した製品づくりをしているように感じる。
ライカ純正ではあり得ないスペックのレンズ。ノクトン。35mm F1.2 について少しレビューしたい。
鏡筒を含めて、作りは大変良く、触った感触はライカ純正と変わらない剛性感がある。光学性能も中心部は十分に解像しているし、開放であっても許容範囲である。ボケはいわゆるクリーミーボケとは違い荒れてはいるが、背景に気をつければいい雰囲気となる。
収差はかなり残っている。オールドテイスト。完全に好みの問題だが建築物などの撮影には向かないかもしれない。
難点としてはやはり大きくて重い。レンジファインダーのレンズで 300g を超えるとかなり手首が痛くなる。普段使いには向かず、少し遊び心で持ち出すのがよいだろう。
まあこのように特に(プライスも含め)欠点は見当たらないが、数回使用して手放してしまった。前述したように、遊び心満載のレンズであり、個人的には使用場面があまりにも限られてしまったためである。
しかし、七工匠レンズも含めライカの代わりにはならない。結局は高くつく、かな。
是非お試しあれ。