Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

心のフィルムに焼き付けて(失敗備忘録)

先日古い友人に会うために都内に向かった。久々の再会で、まあ年末でもあるし、近況報告もということで2人だけの同窓会(そもそも私にはほとんど友人がいない)。

最初カメラ無しで出かける準備をしていたのだが、棚の隅にあったペンタックスがPentacon 50/1.8越しに落ち着かない様子で私を見ている。まあこれ持っていくか、ということでカバンにほうりこんで出発した。

Pentacon 50/1.8

途中で家電量販店に寄って135フィルムを購入する。本当はポートラがいいのだけれど、店出しでは早くても4日ぐらいかかるためFujifilm pro400Hにした。これなら最短1時間で現像できる。

友人と会って中華料理を食べながらたわいもない話をする。今度仕事で外国へ赴任するらしい。うらやましいけど頑張って欲しい。 その後、10代の女の子のように写真の撮り合いをした。お互いある程度フィルムカメラの使用経験があるのでカメラの取り扱いにトラブルはない。露出を合わせ、シャッターを切る。ミラーの落ちる爆音とともに空間が切り取られる。考えてみれば私自身のポートレートはほとんどない。いい機会だ。ポーズを決めてみよう。

その後友人と別れて駅のホームでフィルムの巻き戻しをする。しかしここで非常に違和感を感じた。クランクを3回ほど回したところでグッとした手応え、それからスルッと外れる感じがした。グッとした手応えが早すぎる。普通はぐるぐると最低20回ぐらい回して、フィルムの引っ掛かりが取れる手応えを感じるのに。

ダメかもしれない。そう思った。フィルムが送られていなかった可能性が高い。そういえばフィルム巻き上げ時にクランクが連動して回っていなかったような気もする。しかしフィルムのベロがヤドカリのように文字通り”引っ込められた後”ではどうしようもない。とりあえずカメラ屋に現像を出した。事前に事情を説明して、撮れていたらプリントもお願いすることにした。

Film of the heart

予想通りの結果となった。全く何も写っていない。嘆くより笑いがこみ上げてきた。つまりフィルムが入っていないも同然のカメラを40代のオッさんがティーンエージャーのように二人でキャーキャーとはしゃぎながら撮り合いをしていたわけだ。その姿は仕事から解放された浮れ気分のビジネスパーソンが遊歩する年末の都心にあっても大変シュールだったろう。

やはりフィルムは手強い。デジカメならSDカードが入っていない状態に近いが、これはスイッチを入れた瞬間にわかるため対処ができる。その気になればコンビニでもSDカードが買えるだろう。まさか今回のように撮影終了後になって「SDカードが入ってねーじゃんッ」ということは普通は考えられない。

 

今回は非常に残念ではあったが、友人の笑顔やその場の光景は不思議と脳裏に焼き付いている。心のフィルム、か。たまにはこういうのもいいだろう。