Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

小さなジュエリーボックス- Hasselblad 500C/M

ハッセルブラッドは1841年、ライカ(正確にはオプティシェス・インスティトゥート)は1849年、現在の2社の前身として光学産業に参入した。 その後、(異論はあるにしても)、コンシューマー向けのライカM3は1954年、ハッセルブラッド500Cは1957年に誕生した。これらは特にフィルムカメラに興味を持つ方なら間違いなく一生に一度は触ってみたいと思うカメラだろう。 私も多分にもれずそんなミーハーなひとりである。今更ながら触る機会があったので簡単なレビュー。

中判はこれまでプラウベルに始まり、ローライ、マミヤ、ブロニカとそこそこ触ってきた。どれも個性的で甲乙つけがたい。しかし今回ハッセルブラッド を実際に触ってみると、なるほどといった感覚だった。

Hasselblad 500CM

これは確かに他のカメラとは違う。 なんというか、サイズ感や重さが手の中でしっくりと収まり、またギミックというのだろうか、細部の作りが大変メカニカルで扱うたびに居心地の良さを感じる。 繊細な機器だが高級腕時計のように慎重な扱いは必要ない。1962年、宇宙にまで持っていったという記録はこのカメラの実用性を保証するものであるし、触ってみれば決してヤワではないことがすぐに理解できるだろう。まさに大切な撮像を守るジュエリーボックス。

慎重な扱いは必要ないが、動作についてはいくつかのルールがある。そしてルール違反は罰金として多額の修理費を払う羽目になる。まあとにかく常にシャッターチャージをしていれば問題が起こるリスクを減らすことはできるだろう。

この時代、私はまだ学ランの裏ボタンを選んだり、昇り竜の絵柄の長財布を物色していた中学生だったので詳しくはわからないが、80年代から90年代にかけて、このカメラはおよそ100万前後で取引されていたらしい。駆け出しのカメラマンが一生を背負う覚悟でローンを組んでいたとのこと。それが現在は数10万で手にすることができる。しかもコレクションではなく、実用品として。これはフィルムカメラが好きな人には幸運以外何ものでもないだろう。

機会があれば是非。2019年 正月