Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

Nikon New FM2 デビュー&レビュー in 江戸川橋

一般的にはおそらく順番が逆だとは思うのだけれど、ライカを散々使いまわした後でも、Nikon New FM2(以下FM2)はいつか使いたいと思っていたカメラである。謹賀新年、財布の口が開放F1.2となった今、良い機会だから手にしてみることにした。

Nikon New FM2

昼食にマヨネーズとマーガリンのたっぷり塗られた蒸し鶏と卵のサンドウィッチ、それから冷蔵庫にあった残りのオレンジジュースを空にした後で、コーデュラナイロンのリュックを背負って電車に乗る。都内のカメラ店をあちこち回り、FM2ボディ、そして50mmF1.4Dのレンズ、B&Wフィルムをそれぞれ現地調達する。こういう感じ、なんか良い。しかしさすが首都東京、その気(労力を惜しまなければ)になればなんでも揃う。

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a7III / FE50mmF1.8

それから適当なカフェでコーヒーを飲みながら一息つく。カメラをリュックから取り出しテーブルの上に置いてフィルムを装填する。巻き上げのため2、3度シャッターを切る。斜め向かいの席に座っていた若者がキーボードを叩く手を止めてちらりとこちらを見たが、またすぐに作業に戻ってしまった。

カメラを再びリュックに戻して読みかけの本を少しだけ読んだ。時刻は午後2時を回ったところで、窓越しに見える歩道を行き交う人々はまばら。おそらく今夜あたりからUターンラッシュが始まるのだろう。しかしこの時期、都内は人が少なくて良い。学生の頃、人類学の講義で教授が話していた言葉を思い出した。

 

「東京に住む人々の8割は地方出身者である」

 

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Nikon New FM2/50mm F1.4D/ilford Hp5+/カテドラル

店を出る前にグラス1杯の水を飲み、池袋に向かう。有楽町線に乗り換え江戸川橋で降りる。以前から行きたかった東京カテドラル。冬眠中の桜並木が連なる神田川沿いをぶらぶら歩きながら目についたものを切り取る。

 

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Nikon New FM2/50mm F1.4D/ilford Hp5+

St. Mary's Cathedral, Tokyo

FM2のレフレックスファインダーは大変見やすく、ピントの山が非常に掴みやすい。レンジファインダーとは明らかに異なる。何かで読んだことがあるが、レフシステムとレンジファインダーなら、正確に写真を撮る目的ならレフレックスが優れているらしい。妙に納得した。 そして意外に軽い。片手で持った感じが、ライカM6よりも明らかに軽い。後で調べてみたのだが、具体的はライカM6+ズミクロン 35mmでおよそ900g、FM2+50mmF1.4Dでおよそ800gで100gも軽い。これは十分に違いを体感できる。

シャッターフィーリングは少し物足りない。そしてシャッター音は決して静寂を切り裂くほどではないが、音の存在感は間違いなくある。好みの差はあるだろうけど、どちらかといえばライカのカチリ、というサウンドが街角スナップには向いているだろう。

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胸突坂/Nikon New FM2/50mm F1.4D/ilford Hp5+

日も暮れ気温が下がったところで引き上げる。フィルムカウンターは30を示していた。残り6枚は自宅に帰ってから開放1.4で猫でも撮ろう。レンジファインダーレンズに比べおよそ2倍近く被写体に寄れるので素晴らしいBokehも体験できるだろう。その前に猫がこのカメラとレンズを気に入ってくれると良いのだが。

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FM2+50mmF1.4D/最短距離にて。警戒中。

帰宅してから予定通り家族の写真を数枚撮り、試練ともいうべき冬場の自家現像を手順どおり、システマティックに乾燥まで行う。その間に再びFM2を手にとり触ってみる。

私みたいな若輩者(?)が語るのも申し訳ないのだが、よくできたカメラだと思う。レフ機とは思えないほどのコンパクトさ、物理シャッターが1/4000の驚異的な技術、誤ってカバンの中でシャッターを押されない仕組み、そして個人的に好きなセルフタイマー。露出計も、あればうれしい(概ね正確に反応しているようだ)。そして何よりシステムへの投資が大変安価である。高性能な開放F1.4クラスの大口径Nikkorのシステムを組んでも、同クオリティーのライカの十分の1から二十分の1程度の費用で完結できる。(もっとも金額的にライカと比べること自体がナンセンスだが)

 

魅力がたくさん詰まった名機。

-----------------------------------------------------end roll 

そうだAF50mm F1.4Dについて書くのを忘れていた。

ネガをスキャンして確認する。写真そのものの出来はおいといて、レンズそのものは、軽さ、サイズ感、大口径、プライスのバランスでは大変優秀だと思う。それどころか、ライカのレンズ群を使った経験からすると只々「ありえない」の一言。そして無尽蔵にある優秀なFマウントのレンズ群たち。

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Nikon New FM2/50mm F1.4D/ilford Hp5+

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Nikon New FM2/50mm F1.4D/ilford Hp5+

 

これは、面白くなりそうだ。