海外から戻ってきてめっきり写欲が失せてしまった。 理由は分からないが、率直な気持ちを言葉にすれば撮りたい対象が無い、ということになる。
家族(といっても妻と猫の3人暮らし)の写真を撮るのは大変意味のあることだが数年後に見直して「なんか若いねー」程度の楽しみならば年に1枚くらい撮っておけば良いと思うし、家の近所については救いようがなく、そもそも東京郊外の都市においては基本的に撮るものは何もない。アーウィットのように近所を歩き回り犬の面を被った(正確には犬そのものなのだが)被写体を撮影するチャンスや度胸も私にはない。
海外のフォトグラファーのブログに書かれていた。
「普段は滅多に写真を撮らない。しかし撮るときはフィルム100ロール近く撮る。そしてその期間は1年のうちわずか1ヶ月程度」
つまり国内、海外を含めた特別な遠征を年に1回程度するということだろう。なるほど、そういう楽しみ方もあるのか。
一方ソール・ライターは「写真を撮るのに地球の裏側まで行く必要はない」と述べていた。実際ライターはニューヨークを拠点に、自宅周辺数ブロック内を散歩しては素晴らしい写真を残してきた。
そりゃニューヨークに住んでいれば、ね、というツッコミは抜きにしても、写真を撮るのに遠出する必要はないという考えには只々感心する。
結局自分自身の問題なのだろう。ある被写体を芸術と呼べるレベルまで引き上げることのできる写真家はプロ・アマチュア問わず間違いなく存在しており、そういう人はただのゴミ箱を撮影しても「なんか、良いよね」と人々を感動させることもできる。
それを探し出すだけでも写真集やWebの写真(もちろんはてなブログの皆さん)をみるのは楽しいものであるし、それらの刺激を受けてまた写欲が戻ってくるといいなと思う。
さてと、季節の変わり目。少し休息が必要か、な。
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