Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

カメラと風景の旅

今年もあと数日となった。 特に感傷に浸りたかったというわけでもないが、カメラとレンズをザックにつめて中部地方の風吹く砂浜を歩いた。 日の入りまで一時間弱といった感じで、風は強く冷たく黄昏時の闇を否応なく引き寄せていた。ジッパーを襟元まで上げ…

家生活の想い出

コロナ禍に撮ったフィルム写真が見つかった。 それほど古くはないが、記憶の中ではもうずいぶん昔の写真のように感じる。 フィルムはポートラ400、645サイズ。 家から出ない生活が長引く中で少しでも芸術的?なシーンを撮ろうとたどり着いたのが部屋そのもの…

ズームレンズ(一応大三元)レビュー

前回ズームレンズの記事を書いてから運よく入手できたEF24-70mm F2.8L II USMについて実践的レビュー もう10年以上前のもので、おまけに超有名なレンズなので今更レビューもないのだが、記憶にあるかぎり赤リングを所有するのはEF50mm F1.2以来二度目で、特…

悩ましいズームレンズ

私の撮る写真のほぼ100%が単焦点で撮られたものである。 特に自慢することでも、自分の覚悟を宣言しているわけではないし、単焦点じゃないと良い写真が撮れない、などと思っているわけでもない。 ただ自分の撮影スタイルとして単焦点が性に合っていた、とい…

L-sit(Lーシット)指数について(自宅トレーニング)

以前の記事にも書いたが、私は日頃から筋トレをしていて、今でもそれを継続している。 ジム通いはコロナ禍を機に止めてしまったので、大掛かりな機器は使わず、チューブや懸垂、腕立てなどの自重中心の自宅トレーニングだが、ある程度の筋力は、少なくとも自…

私が動画を撮らない理由

最近、かつてに比べて国内旅行に頻繁に行くようになった。 海外旅行へのハードルがここ数年間で異常に高くなってしまったこともあるが、何よりも、ずっとそこに存在していると信じていたものが、ある日急に、時に何の前触れもなく無くなってしまうという状況…

変わりゆく旅行の形

ウグイスの鳴き声を聞くのは何年ぶりだろう。 日本の三大避暑地に数えられるこの地では、縦笛を吸うように僅かに音程が変わる旋律の闖入にすら相好が崩れる。 駅から車を1時間ほど走らせた山奥の、河川がちょうど分岐するのが見渡せる高台にあるこの宿は、…

やはり苦手な50mm

50mmが苦手である。 苦手なので使わない。使わないので上手くならないし魅力を感じない。実際数でいえば、35mmに比べ3分の1程度しか写真は残っていない。 それでも写真を始めた頃は50mmを積極的に使ってきた。 50mmは標準の画角として頂点に君臨しているし、…

ミラーレスで蘇るカールツァイス | Carl Zeiss

写真を撮るのが楽しくない。 撮った写真を見るのは好きだ。しかし写真を撮る行為そのものは楽しくも何ともない。 フィルムカメラで撮っていた時は終始楽しかった。一枚一枚が光と影、または3原色のきらびやかで物憂いコンポジション、束の間の美という儚い…

最近手ぶれ写真が増えたことについて

ここ数年撮った写真を見返してみると、手ぶれ写真が多いのに気がつく。 それは本当に僅かなズレで、恐らく等倍でみる分にはそれとわからないだろう。 しかし一応長年、ポジフィルムをルーペで覗き込むようなことをしていると、この何ともいえない違和感を覚…

高嶺の花となった海外旅行?

ふと思い立って海外旅行の航空券を調べていたら、その値段の高さに衝撃を受けた。 2019年にイタリアへ行った時と同じ時期(8月)、同じ経路で調べてみると、おおよその往復料金はなんと40万円。おまけに直行便でもロシア上空を飛べないため片道15時間程度か…

ライカで撮る意味(ライカQ3へのメッセージ)

先日、ライカQ3がローンチされた。 スペックやデモ機の紹介動画をみる限り、Q2に比べかなりアップデートされているように感じる。 そういえば私がQを手にしたのは2016年で、それが初のデジタルライカだった。恐らく、多くの人がそうであるように散々興奮して…

軽井沢フォトフェスト kff 2023 入選

写真家の野辺地ジョージさんが主催する軽井沢フォトフェストに行ってきた。 私の作品が入選したということももちろんあるが(一応1000以上の応募作品から250作品を選出)、それ以上に最近の写欲の低下へ何か刺激が欲しいと思い、軽井沢まで足を運んだ。 軽井…

鐘の鳴る頃には雨も止んでいるかもしれない

年に2度も足を運ぶ街は珍しい。長崎。 1度目は巡礼のため、2度目は観光のため。 "長崎は今日も雨だった"という名句の通り、両日共に天気は残念ながら雨だったが、興味深いことに、ここぞという時には厚い雲の合間から青空が見えた。確かに何か神聖なる、スピ…

停酒と再生の記憶

三十代の終わり頃、約二年に渡り断酒というか(今は飲んでいるので)、停酒したことがある。その備忘録。 もしお酒を止めたいと思っている方にとって何かの参考になれば幸いである。 酒量が増えたきっかけ 一般的には三十代後半から四十代に突入する前後では…

旅と単焦点広角レンズと記憶

陽も高くないうちから斜面に無数安置された墓跡の間を一段一段慎重に下っていくと次第に視界が開け、眼下に広がる港に圧倒される。 長崎の朝 肌を刺す寒い冬朝だというのにどこか生ぬるい、湿った空気が鼻先をかすめるように通り過ぎていく。静寂のグレイブ…

過去との決別:2023年年初挨拶にかへて

謹賀新年 世間からいえばもうおじさん中期(後期?)に入った年を迎えるにあたって、さまざまなものと決別し、そして新しい出会いを楽しんでいる。 ブーツとの別れ 写真のブーツは30代に購入したもので、10年以上定期的に履いていた。潜在意識の中にMr.bigの…