鏡筒の作りが秀逸な貴婦人こと第一世代から若干の改良を加えた第二世代ズミルックス。
マイナーチェンジということで『後期型』と呼ばれることも多い。フィルターサイズは43mmで、第三世代と現行asphの46mmに比べて小ぶりとわかる。
驚かされるのがズミルックス(大口径レンズ)としてはかなりサイズが小さいこと。現行ズミルックスよりかなり小ぶりで、サイズ感は1段暗い小さな現行モデルのズミクロンと全長はほとんど変わらない。レンジファインダー用レンズとしてなら現行ズミルックスよりもこちらを選ぶ価値はある。
写りはいわゆる線の細い、淡い描写をする。開放で光のベールに包まれたようなふわっとした明るい雰囲気の写真が撮れるため、女性のポートレートには大変向いているだろう。しかし芯はしっかりしているため、いわゆるオールドレンズの緩い感じは受けない。少なくとも同じ大口径のズマリット(F1.5)に比べればこちらの方がはるかに現代的である。
大口径なので当然夜間にも強い。フィルム撮影時は特に恩恵を受けるところだが、ISOを何倍にも上げられるデジタルであっても F1.4 はかなり心強い。
上の写真は草津で撮影したのだが、ISO400のF1.4、1/15 で手持ち撮影できた。F2 のレンズならば 1/8 。不可能ではないが、1/8 は相当に気を使う。そういった意味ではやはり大口径はありがたい。
このレンズは最初状態が悪く、運よく10万円代で手に入れた。その後オーバーホールしたため結局は相場程度の金額となったが、しかし近年価格高騰が異常に激しく、また出物も少ない。手にできれば幸運だろう。