おそらくライカMマウント50mmの中ではトータルで最も安定性と信頼性の高いレンズだろう。ライカのブランド価値が実性能価格の30%程度は上昇させていることは否定できないが、そのコンパクトさ、すこぶる優秀な光学性能はレンジファインダーがなんたるものかを再認識させてくれる。
写りはとにかく実直で質実剛健。F2という無理のない設計で合焦部は驚異的にシャープ。商業プロのための信頼できるレンズ。
個人的に気に入っている点は組み込みフード。50mmでフードを使うことは滅多にないが、それでもあったほうが良いシチュエーションでは大変便利。
個人的にはボケ味はややうるさく感じた。しかし背景に高周波物体(草や格子など)をいれない限りはそれほど気にはならない。
欠点らしい欠点はないが、あえて言うならば素直すぎること。観察者の見たままをありのままにフィルムに焼き付ける。そこにはなんの誇張も欠落もない。英語でいうwow effect(その名の通り、ワォ効果)も無い。
そんな無機質な感じがたまらない。
おそらく、上手くいけば、これ1本で50mmは終了できる、はず。それくらいの決定打。是非お試しアレ。