6x6フォーマットで最も有名な中判カメラ、ハッセルブラッド。80年代から90年代にかけて、およそ100万前後で販売されており、駆け出しのカメラマンが一生を背負う覚悟でローンを組んでいたとのことだが、現在は状態の良いものが当時の 1/10 の価格で手にすることができる。
歴史的にはハッセルブラッドは1841年に光学産業に参入した。ライカはその8年後である。そして1957年、標準的なコンシューマーモデルである500Cが発売された。1962年に宇宙飛行士のウォルター・シラーが500Cで宇宙空間を撮影したことからハッセルブラッドは急成長したと考えられている。
それほど中判歴が長いわけではないが、ハッセルブラッドだけは他のカメラと少し違う感覚を覚えた。なんというか、サイズ感や重さが手の中でしっくりと収まるといった感じだろうか、そして細部の作りが大変メカニカルで扱うたびに居心地の良さを感じる。
動作についてはいくつかのルールがあり、ルール違反は罰金として多額の修理費を払う羽目になる。とにかく常にシャッターチャージを忘れずにしていれば問題が起こるリスクを減らすことはできるだろう。
そして独特の乾いたシャッター音。ボシュン。静かとは言い難いがなぜか心地よい。ライカのシャッター音とはまた違った揺らぎがある。
純正レンズはZeissで、種類も豊富である。レンズシャッター式で、クラシックタイプはCで、比較的新しいタイプはCFと表記される。CFの方がヘリコイドその他取り回しが非常に楽なのだが、セルフタイマーはCにしか付かない。個人的にセルフタイマーはよく活用するため悩みどころである。
おすすめレンズはやはり80mm F2.8。大変コンパクトで明るい。これ一本でどんな撮影もこなせるだろう。ぜひ試していただきたいカメラとレンズ。
特に関係はないが、国内で最も信頼できるハッセルブラッドのお店は新橋イチカメラさん。ハッセルは故障も多く、また安価なものを買うと高くついてしまう。オーバーホール済みを販売するお店で、多少高くても買うのがおすすめ。ぜひ。