Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

Pentax 645 NII レビュー

PENTAX 645は初期モデルが1984年に発売され、オートフォーカス機能を備えたN(1997年)、そして2001年に NII が発売された。手元にあるのは NII 。簡易レビューをしたい。

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これまで中判カメラは Plaubel Makina 67 、Mamiya RZ67、ローライ各種、そしてハッセルブラッドなど色々使ってきたが、6x4.5 は今回が初。理由は、いわゆるフィルムは ”大きいは正義” に頭が支配されており、まあ単なる食わず嫌いである。

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実際に Pentax 645 NII を使ってみて、正直かなり気に入ってしまった。このカメラは発売から20年経っているが、ローライフレックスのようないわゆるクラシックカメラではない。完全な現代的一眼レフ機で、そういった点で最初は機械任せのカメラに楽しみなんてあるのかな、なんて考えていたが、いざファインダーを覗くと大変クリアな世界がそこに広がっていた。写欲がかき立てられ、もはやオートだろうがマニュアルだろうが関係ない。

Début de l'été (early summer)

重さは標準レンズの FA75mm F2.8 と合わせ2kg弱と、決して軽くはない。しかしボディの剛性の高さや堅牢なグリップがそれらを感じさせない。外装の質感もとても良い。PENTAX最後の中判フィルムカメラに恥じない作りである。

とはいえ問題点が無いわけではない。シャッターショック、シャッター音は激しい。ライカに慣れていると、最初は 1/60 でも手振れする。改めてホールディングの大切さを感じる。しかし数枚撮っているとだんだん癖が掴めてくる。今では1/15ならなんとか手持ちで撮影できる。 総じて、全く悪くない。いいカメラ。

Sleep in peace

作例をいくつか載せておいたが、FA75mm F2.8 は評判通りの良い写りをする。オートーフォーカス時に神経質な音を立てるが、200 gと非常に軽く、特に癖もなく標準的で優秀。画角は35mm換算で45mm。まあ本当に素直な 6x4.5 の世界を楽しめる。

このカメラは中判ビギナー向けとされ、オートフォーカスにオート露出の全自動が売りである。最初のうちはそれに従っていたのだけれど、結局マニュアルフォーカス、マニュアル露出に変えてしまった。

Afternoon

内臓露出計はかなり正確で、まず目算した露出に絞りとシャッタースピードを合わせてファインダーを覗く。露出計(私はスポット測光にしている)を確認してアンダーオーバーをシャッタースピードで微調整。いわばライカ M6 を使うのと似ている。

A House cat

気がついたらあっという間に1ロール消費。巻き上げも当然自動。現像したフィルムをスキャンしてみると 15 コマで終わっている。6x4.5 は 16 コマまで撮れるはずなので調べてみると、コマの間隔が詰まっていると平面性の問題が出る云々書いてあり、デフォルトは 15 枚とのこと。設定で 16 コマに変更できるのでそちらを選択。 大変楽しめた。

CONTAX 645

645の素晴らしさを知ると気になってくるのが CONTAX 645。ボディというよりも標準レンズである Planar 80mm F2 の描写が数ある中判フォーマットの中で唯一無二であるため、もはや正規のサービスが受けられなくても中古が異様な高値で取引されている。特にフィルムで撮るウェディングフォトグラファーに人気で、プロとして成果を出すためのある種の登竜門になっている気がする。

Planar 80mm F2の作例を見ては(ほとんどがウェディングの写真)ひと月近く悶々としていた。本当に素晴らしい。中判でF2という被写界深度が生み出すクリーミーなボケ、Zeissの信頼できるシャープネス。もちろんボディも素晴らしい。モダンなデザインと粋なシャッターサウンド。撮っていて間違いなく楽しいだろう。

しかしやはり中古価格40万は私の使用頻度ではあまりにもオーバープライス。修理については諏訪リペアサービスさんで現在のところは可能だが、故障部位によってはパーツが入手できないらしい。ハイリスクハイリターン(自己満足)の典型。

そんな折、海外のフォトグラファーブログで67レンズの存在を知った。プアマンズコンタックス(poor man's CONTAX)とも題される 105mm F2.4をマウントアダプターで645に装着する方法。しかし描写はPlanar 80mm F2と僅差らしい。F2.4もF2より半段暗いだけでかなり良い感じ。

早速中古レンズを調べるが、このレンズがまた結構な高値で取引されている。他のPentaxレンズの中古価格が信じられないほど安いため尚更そのように感じる。

SMC 105mm F2.4 

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PENTAX67用レンズをアダプターを介して645に装着すると、表記の焦点距離の0.8倍相当となる。つまりこのレンズは35mm換算で84mm。中望遠のため普段使いではやや扱いづらいが、ポートレート、ブツ撮り共に許容範囲内。

Indoor photography

レンズ自体が重いため、全体的にかなり重量が増す。実測では 2.3kg。手持ちでフォーカスを手間取っていると腕が震える。

chocolate mint chip cupcake

描写は実に素晴らしい。ピント面の浮き上がりはニヤけてしまうほど。Planar 80mm F2に比べボケはやや騒がしいが、クロード・モネの絵画のように品がある。

Indoor photography

間違いなく銘玉。楽しんでいきたい。

 

Indoor Photography

外出解禁になったと思いきやまた暗雲が立ち込めている。自由気ままに外で写真を撮っていた頃が本当に懐かしい。ふと思い立って部屋の撮影を試みた。普段気にも止めていなかったのだが、一日通して観察してみると、光が回り込む美しい瞬間に何度も出会えた。「写真を撮るのに地球の裏側に行く必要はない」ソールライターの言葉を改めて思い出した。

Our Kitchen

Indoor photography

ピンチはチャンス。そして綺麗な雑貨を揃えてくれている妻に感謝。

PENTAX 645N-2 ボディ

PENTAX 645N-2 ボディ

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PENTAX SMCP 67 105mm F2.4

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