初代タイプは1979年にドイインターナショナルより発売され、広角レンズ搭載タイプのW67や220フィルムが使用可の670タイプがある。詳しい歴史などはWeb上至るとこに散らばっているためそちらを参考にされたい。
レビューの前に現状の報告だが、このカメラ、今はもう手元にない。最初に購入したのは5年前で、しばらく使用して売却、それからなぜか2台目を購入。そして手放した。つまり私とは相性が合わなかったのだろう。いずれも初代モデルである。
ボディ外観は非常にスマートで、レンズ沈胴により機能的にも優れている。蛇腹に気を使うが、撮影時にレンズを出し入れする感覚はレトロ感満載で使っていて愉しいカメラである。
レンズは天下のニッコール 80mm F2.8。35mm換算39mmと準標準の画角。6x7判のため、F2.8と決して明るくはないレンズだが被写界深度は大変に浅く、それだけ大きなボケを生み出せる。
描写はいうまでもなく素晴らしい。開放では周辺が緩いものの、合焦部は極めてシャープ。絞り込めばパキパキになる。歪みはほとんど感じられない。
操作は少し変わっており、ピントリングがレンズではなくシャッター部についている。これを右手で回しながらピントを合わせる。カメラの状態にもよるがフォーカス精度は高い。かなり微妙なピントでも繊細に合わすことができる。
露出計も装備されているが、中古によって精度はバラバラ。幸運にも私の個体は問題なかったが、そもそもAE絞り優先等ではないため最終確認に用いる程度。結局は自分の露出感が重要になる。
総括としてかなり個性的なカメラ。写りもいいし、6x7判は日常使いの範囲内では最大フォーマット。使ってみる価値は十分にある。
問題点、これが原因で私は手放したのだが、なんといっても使いづらい。
まず蛇腹部分の出し入れ。先に述べた通り、撮影毎に出し入れしなければならず、またその際基本的にピントを無限遠に置いた状態で行なう(整備の方に聞いたので本当はどうかわからない)。これが結構手間で、撮影がワンテンポ遅れる。またハンドリングも決して良くはない。別売でグリップもあるが、ノーマルでは弁当箱を持っている感じである。
コンパクトサイズでストリートフォトに向くカメラではあるのだが、そこはあくまで腰を据え時間をかけ、被写体を吟味して撮影する必要がある。ブローニーで10枚しか撮れないことも自ずとこのカメラに向かう姿勢を正してくれる。
このカメラで何度か旅行もした。いい思い出のカメラ。一時価格が急騰していたが最近はまた落ち着いているので、もし興味あれば是非。
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