ニュートラルなカラーで使い勝手がよく、かなり安価。これから中判フィルムを楽しむ方にも、気軽に手を出しやすい良いフィルムだった。
まだ市場に在庫は(恐らく潤沢に)あるので明日から使えないという話ではないのだが、この、いわば場末でひっそり消えゆく雰囲気に気が滅入る。
この調子で行くと先に終焉を迎えるのは120サイズだろうか。135はなんとなく残りそうな気がしているが、紙やプラ廃止のSDGsが声高に叫ばれる中、なんともいえない状況だ。
ライカ社が全ての面倒を見てくれる可能性もある。フィルム製造会社の買収による一貫生産体制の確立など。それこそフィルム文化のSDGs。M6やMP0.72、市場に溢れるハイプレミアム価格の付いたフィルムカメラを購入したユーザーへの責任、などと大袈裟にいうわけではないが、ガソリンの無くなったガソリン車を眺めていられるほどコレクター気質のない私のような凡人には閑却できない問題である。
先日期限切れ間近なE100を借り物のマキナにつめて鎌倉海岸を撮影してきた。出来上がったポジをみてやはり良いなと思う。これがこの先消えてしまうのは残念だなと思う。
しかし時代の変化と社会の価値観の変容に抗うつもりはない。
『...身を捨ててこそ身をも助けめ』(己を捨てることが己を救う道)西行
さて、フィルムに一番近いX-proでも検討してみようかな。来年には素晴らしい23mm F1.4が出るとのことなので。