Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

七工匠-7Artisansのススメ

七工匠(しちこうしょう)7Artisans、正式名称は深セン市七工匠光電科技会社、は、2016年3月に中国広東省深セン市にカメラ愛好家達のレンズ開発プロジェクトから始まった。高コスパ及び高品質の製品のおかげで、「七工匠」が人々に認められて有名になり、チームメンバーも7人から百人に増えた。(紹介サイトから改編抜粋 )

イカユーザーにはお馴染みの七工匠。当初は少々胡散臭いコピーレンズのような印象だったが、実際に使用したユーザーから、なんかいい感じのレンズ、という感想が多く聞かれ、雑誌などでも紹介されるようになった。欧米のアーティスティックなフォトグラファーからは高く評価されており(何より安い)、定期的にニューモデルがリリースされている。

特徴はとにかく明るいレンズが安価で購入できること。リーズナブルなMマウントレンズには有名なコシナがあるが、もうその比ではない。もちろん光学性能という点では話は変わってくる。収差はひどく、レンジファインダーではピントの精度も悪い。ネイチャーやアーキテクチャなどシリアスな写真には向いていない。

X-E4に35mm F1.2を装着していたが、やはり写りは決して優秀ではない。特に開放はISOを上げたくないためにやむを得ず、といった感じだが、しかしそれが独特の世界観、オールドテイストな存在感を与えてくれる。

個人の趣向もあるが、端的に言って良い雰囲気である。さすがにプロフェッショナルなモデル撮影での使用はできないが、知り合いの女性ポートレートなどでは、ナチュラルなアンシャープマスクのため大変喜ばれるだろう。

Just a memory

そもそも安価であることは価格以外のアドバンテージがある。

例えばF1.2のレンズが1万円台だとして、誰がその描写や質感に期待するだろうか。元々最低ランクの期待値からスタートしているので、標準並みに写ってくれるだけでも「凄い、良い!」となる。ゲインロス効果(マイナススタートの方が良い印象を与えやすい)のような事が起こっているのかもしれない。

まあとにかく私はこのメーカーを気に入っている。そして本番(ライカのレンズ)に入る前のお試しとして大変お勧めしたい。七工匠で好みの焦点距離F値を十分にシュミレートした後で、ぜひノクチを検討していただきたい。

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