Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

ライカは高いのか?最近の各社価格高騰によせて

いきなりのタイトルだが、率直な気持ちを述べれば、今日日(きょうび)、ライカはそんなに高くないんじゃないかと思い始めてきた。 というのは最近の他社の新作モデルの値付けが、従来とは明らかに異なっているためである。

今デジカメはEOS RPを使っているが、これは本当に名機と言ってもいいだろう。発売されてからもう3年の付き合いになるが、今でも積極的に持ち出している。というより、持ち出しやすい。圧倒的な軽さと小ささ、フルサイズのしっとりした画質、そして値段も10万円台前後(中古含め)、使用に躊躇がなく、趣味としての心理的負担が軽い。

Dawn,nearby

唯一の不満はややもたつくシャッターフィールとハイライトダイナミックレンジの狭さ。フィルムではその高い粘りによってハイライトをあまり意識せずにシャドー重点で撮っていたせいか、デジカメは少し気を抜くと回復できないほどの白飛び。

まあこれはRPに限ったことではないだろうし(といってもやはり狭い気がするけど)、撮影時の露出設定である程度どうにかなるが、バァキャッという何とも虚しい乾いたシャッター音とフィールは、撮っていていまいちノラない。サイレントシャッターにしようにも制限があり任意に使えない。

まあもう3年にもなるし、そろそろ、と(自分に言い聞かせて)久々に他のRモデルを物色したのだが、えらく高い。

一般的な感覚で、ボディに30万とか35万とか、少しめまいを覚える。プロユース機と言われればそうだが、少し前までは初任給?レベルの20万前後でセミプロ機材を揃えることができた気がする。

レンズもレンズで高い。R銘なんだからRFマウントで揃えたい。するとそこそこのものを揃えるとボディと合計で70万から100万近くとなる。中古市場に目を向けてみても、それが半額どころか、ほとんど新品と変わらぬ値段で取引されている。

一方、ライカに目を向けてみると、現状M10あたりの中古はボディ単体で60万前後、Q2の中古ならば60万弱となっており、Qならば40万円台。

ご存じQもQ2も28mmズミルックス付きで、考えようによってはバーゲンプライス。 新品のM11でも100万、レンズはLマウントのオールドレンズでも載せれば、この辺りの価格で収まるだろう。

これまで高価だと思っていたライカがなぜかdecent price(妥当な価格)に思えてくる。

 

まあとにかく、最近のカメラ業界?では(経費で落とせない)素人では手が出しにくいランクの機種が増えた。まさに80年代など、かつての職業的フォトグラファーと素人が、その機材で差がついた時代が再びやってきた気がする。カメラは高く、持っていること自体がすごい、という時代。

もちろん入手ができない訳ではない。私は会社員なのでローン審査はすぐに通る。月々1万で5年、60万のセットが手に入る。おまけに無金利なので、一括でもローンでも総額は同じである。懐を痛めることも損をすることもなく明日から最高機材で撮影できる。

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しかしこれは私はやらない。もしこれが生活必需品で、手持ちではどうにもならない事態(風呂が壊れた、外壁に穴が空いた)ならばやる、そうでない場合はこのような買い方はせず、一括でなんとかする(額にもよる)。

これは人生観なので、万人に勧めるわけでも正論をとくわけでもない。最高の流動資産である現金が減ることを考えればローンを組んだ方が経済学的には合理的な行動だろうし、お金を貯めている間に撮影の機会が減るのならばローンを組んででも撮影に繰り出した方が良いこともあるだろう。

そういえば『旅するカメラ』の 渡部さとる氏が、仕事では100万超えのハッセルを使うが(バブル全盛期の話)、プライベートで使うカメラとレンズは5万円以内と決めている、と書いていたが、それくらいの方が気兼ねなく趣味として楽しめるの、かも。