Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

鐘の鳴る頃には雨も止んでいるかもしれない

年に2度も足を運ぶ街は珍しい。長崎。 1度目は巡礼のため、2度目は観光のため。

"長崎は今日も雨だった"という名句の通り、両日共に天気は残念ながら雨だったが、興味深いことに、ここぞという時には厚い雲の合間から青空が見えた。確かに何か神聖なる、スピリチュアルなものを感じる。

高台から見下ろすと傾斜に連なる家々が朧げな太陽に反射してまるでイタリアのアマルフィのようであり、国内にいながら少し異国の気分を味わえる希少で魅力的な街なのかもしれない。

前回は主に教会等をめぐる旅だった。

幼い頃からカトリック系の学校に通っていたため、教会には馴染みがあり、礼拝堂内の静けさや独特の空気はやけに心を穏やかにする。

そして厳しかったシスターの、いつも緊張した面持ちを思い出すと自然に背筋が伸びる。

そんなことをしながらここ2年間で溜まった抑圧を解放し、確かなカタルシス(浄化)を感じた。

St. Mary's Cathedral

今回は観光がメイン。教会には立ち寄ったが、祈りとわずかな心付けを後にして俗世間へ戻る。

昼食は長崎ちゃんぽんを食べた。想像以上に薄味で海鮮の出汁が効いている。麺も中太。関東では特に好んで食べるものではないが(リンガーハットくらいしか知らない)、これが本場、という説得力と優しさが詰まっていた。

ついでに餃子も注文。炭水化物のダブルパンチだが旅先では構わない。食べられるうちに食べておくのが鉄則。 一口サイズの餃子で肉汁が染み出して大変美味しい。しかしそれ以上に酢醤油の甘さが心地よい。九州は醤油が甘だれとなっているようで、この味にハマる人は多いと聞く。納得。

 

今回持参したカメラは相変わらずのEOS RPとRF24mm F1.8。RPはその軽さで旅では毎回重宝している。RF24mmは半年程度の付き合いだが、24mmという広い画角と高コントラスとキレの良い写りに完全にハマってしまい、いつしかRF35mmはシリカゲルの側に安置という状態である。欲を言えば赤リングのズームレンズが欲しいのだが、今回のミニマム装備ですら夕方には重さで煩わしいと感じた。なのでこれ以上機材を増やす気には、やはりなれない。

浮いたお金で夜を楽しむ。

港町の楽しみは海鮮料理。噛みきれないほどの弾力があり、回転寿司であっても相当なクオリティがある。地酒はやや甘味があり、個人的にはもっと辛口が好みだが、これはこれで良い。 トルコライスも食べた。お店によるのだろうけど、素朴な味わいでアラフィフの胃腸には大変優しかった。

京都で大学生をしていた頃、学食のトルコライスはもっとパンチの効いたもので、やはり学生向けにアレンジされていたのかと思う。

しかし、都心に比べてどんなものでも、地方都市の料理はなぜか美味しく感じる。旅の魅力の一つかもしれない。

ハイライトは稲佐山。人が大変多く、時間を早めて夕暮れ時を狙ったがこれが正解だった。吹き荒れる冷たい海風に薄手のパーカーを羽織った肌を打たれながら東シナ海へ沈む美しい夕日を見つつ1日の終わりを祈る。

A pilgrim's journey

今度はいつ来られるのか。

 

それはともかく、さて、夜景を見ながらビールでも楽しみましょうか。