Cure of GAS

Cure of GAS

ここ2年間の間にカメラやレンズにたくさんのお金を散財しました。GAS治療中です。

Zeiss Magic

カメラレンズマニアの間では〇〇沼という言葉があるが、ツァイス沼も代表的なGASだろう。特に見栄っ張り、公私様々な場面で他人との差別化をはかりたい人間には最もハマりやすいGASであると思う。もちろん私もその1人だ。

まずそのハイプライス。ある程度の収入がないと(ローンもあるが)レンズ1本に新入社員の一ヶ月分の給料と同じ額を払うことはできない。次にブランド力。タムロンやシグマなど果てしなく優秀ないわばサードパーティ製のレンズがゴロゴロしている中でわざわざツァイスを選ぶのはブランド力が大いに関係しているだろう。もはやドイツではなく国内産であることを分かっていてもだ。

 

Distagon 35mm 1.4を購入してから、この10万超えレンズを買うことに抵抗が無くなった。薬物でいうところの耐性を獲得した感じだ。ツァイスはマニュアルフォーカスという、他人と差別化をはかれる要素も気に入った。暇さえあればコシナのサイトを覗き、BookMarkにはZeissレンズのレビューサイトが日に日に増えていった。

まあいいんじゃないか、と頭の中でもう一人の自分が囁いた。もちろん買わなくてもいいんじゃないかというサイドの自分ではなく、もっと闇の深いダークサイドの囁きだ。買えばいいじゃん、気に入らなければ売ればいいし、勉強代だよ。毎日仕事お疲れさん。人生には潤滑油が必要だよ。長い目で見れば大した額ではないよ。

この頃下取りという手段を覚えた。全く良くできたシステムである。あっぱれマップカメラさんよう!10%増額とは助かるなぁ!


大した額ではないがEF50mm f1.8 IIを下取りに出してPlanar 50mm f1.4を購入した。

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ISO400 f1.6 1/400 Planar50/1.4 EOS5DII

EF50mmのアップグレードのつもりで購入したのだが、フォーカスリングの感触が気に入らなかったため2週間後に手放した。勉強代はおよそ2万円。その数日後に今度はMacro planar 50mm f2をおよそ10万円で購入した。さらにその数日後、ポートレートに評価の高かったMakro Planar 100mm f2を購入した。しかし機材費が40万円を超えたあたりで少々恐ろしくなったことと、望遠のマニュアルでのピント合わせが悪魔的に困難だったため手放した。

WantとNeedの区別ができないまま数日後にはDistagon 25mm f2が白い箱で届いた。ちょうど夏季賞与が出たとこであったが、合算するとほとんどすべてレンズ代で消えた計算になる。

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ISO400 f2.8 1/160 Distagon25/2 EOS5DII Schiphol Airport

Distagon 25mm f2は2ヶ月後に手放し、EF85/1.8とEF50/1.4を購入した。

始まりは突然に

何にお金を使うかは人それぞれであり、その人の人生観・価値観に大きく左右される。毎月のように慈善団体へ寄付する人もいれば、車の改造費に給料の半分以上を費やす人もいる。食べ歩きツアーへの出費を惜しまない人、アイドルグッズに新車が買えるだけのお金を費やす人など、他人から見れば到底理解できないことにお金を使っているように見えても当の本人にしてみればその行為そのものが人生である。

 GASの門をくぐった時、ある種の幸福感を覚えた。なんだかもう色々なことがどうでもよく、ピントずれになることは分かっていても、ある意味で自分の心の絞り値を開放した気分だった。大金を一瞬のうちに消費する感覚。私は賭博はやらないが、おそらくこのようなある種の恍惚感があるのではないかと思う。そして自分にはこのレンズが必要なんだというシンプルな思いだけが行動の源であった。失敗は人を臆病にもするし大胆にもする。EF24mmは私にとっては失敗だった、チキショウ、売却時の差額は勉強代だ、もしくは数日レンタルしたと考えることもできる。もう二度とこんな失敗するか、ならば絶対的な価値観で評価できるものを買おう。高いレンズはその期待に応えてくれるだろう。

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ISO100 f8 1/125 distagon 35/1.4 EOS5DMKII Paris

中古で14万円近くしたDistagonは重さ840gもあり、5DMKIIの800gと合わせて約1.5kgの重りを右手にぶら下げて様々なものを撮った。機材総額は25〜6万ぐらいになっていたが、このシステムで一生涯通してやる、これが最後だと思うことで自分を納得させていた。

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ISO100 f1.4 1/8000 distagon 35/1.4 EOS5DMKII Scotland

 F1.4のBokeh(ボケ)は私を完全に満足させてくれた。一生付き合う相棒としては申し分ない。写真を撮ってしばらくすると重さで右手が痺れてきたが利便性と機能性はトレードオフの関係だと自分を納得させていた。しかしこの時はまだ自分がGASの初期症状を終えて中期になっていることに気づくことはなかった。

広角から準広角への誘い

EF24 f2.8については正直あまり記憶にない。もちろん全て私に問題があるわけだが、これから書くことは信じられない話のようで本当の話である。

評判の良いとされるEF24mmを購入してからいくつか写真を撮ってみたが、どういうわけか人物が歪む。景色も歪む。ナンジャコリャ、と言った感じである。なんでこんなものが評判いいんだろう、旅行に最適?ドウシテ?買ったレンズがたまたまハズレなのかな、そう言われてみればこのレンズは古そうだし、AF時に耳障りな高周波が聞こえる、こりゃダメだ。結局数枚撮って再びGASの殿堂マップカメラさんへ売ることに。EF24mmからするとマップ倉庫からおよそ2週間ばかり旅に出ていた感じだろう。差額は数千円。勉強代としては安い。

もちろん広角はパースがつくので周辺部に人物を置くと歪むし、そもそも見下ろす形で撮ると景色も歪む、扱いは簡単ではない。しかしその時の私にはパースという概念はなく、mmが小さいと広く、mmが大きいと狭く、そしてそれらは被写体との距離に関係する、しか考えてなかった。つまり24mmでも近づけば50mmと全く同じ写りになるし、また50mmでも離れれば24mmと全く同じになるということである。ここで大事なのは全く同じになると思っていたということで、ここにはパースも最短撮影距離も何もない。長さ48.5mm、重さわずか270gの小さなEF24mmのレンズ玉が物理的に歪んでいるんじゃないかと思って中を覗き込んだぐらいぐらいである。24-70ズームでほとんどワイド側で撮っている今では考えられない話である。

そして標準レンズ、広角レンズ(失敗)と購入してからついに踏み込んではいけない領域へ足を踏み込んでしまった。35mm、しかも素人がいきなりマニュアルレンズ、Distagon T* 1.4/35 ZEの購入である。

 

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 ISO 100 f8 1/80   24mm FE2470Z A7S

 

 

 

 

EOS 5D MarkII 入手

新宿のマップカメラさんは私のGASへの入門を大変歓迎してくれた。

EOS5DMKIIは中古でも7万円代。一眼レフ、しかもフルサイズの歴史的銘機の価格としては決して高くはないだろう。もちろんすぐにいわゆるポチった、訳ではない。興味を持ってから確か1ヶ月ぐらい悶々としていたと思う。カメラを今後の趣味にするべきか、趣味ならばお金をどれくらいかけるべきか、他に趣味はないのか、自分は本当に写真を撮ることが好きなのか、などなど。販売店はとても賢い、そんな消費者の心理にうまく突くかのごとく良いタイミングでセールを始める。それで、多くの人がそうであろう、気付いた時には購入していた。

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一緒に購入したレンズは、これまたいわゆる撒き餌レンズと呼ばれるEF50mm f1.8である。このレンズはとにかく安い。商品が到着してから開封、バッテリーを充電して早速数枚撮ってみた。

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ISO1000 f1.8 1/40 EF50mm f/1.8 II 5DMKII

 

なんというか、やはり素直に感動した。そのボケ感、情緒的とも呼べるべき質感などがそこにあった。初めてのフルサイズ機の感想としては皆同様ではないだろうか。撮影モードが相変わらずPであることを思うとやはりこの時の自分はコンデジの延長としてフルサイズを扱っていたということがよくわかる。

EF50mm f1.8 IIは良いレンズである、と今は思える。しかし当時の私にはこれが最終章でもあり序章でもあった。つまりこれ以上カメラやレンズにお金をかけることはないと考えながらも、同時に心ではこの価格帯のレンズでこんなにも素晴らしいのならカメラ本体より高いレンズならばどうなるんだろう、とぼんやりと感じはじめていた。そんなGAS初期症状に警告を発するかのごとく傍らでは50mm f1.8 IIがキーキーと音を立てながら一生懸命にAFしてくれていた。

その数日後、日帰り小旅行に行く機会があった。EF50mm f1.8 IIには満足していたが、唯一の不満は画角が狭く、広い範囲を写せないことだった。ちなみにこの時点では画角について真剣に勉強したことなどない。ぼんやりと標準レンズは50mmという刷り込みから購入しただけだ。色々調べた。旅行には24mmが良いことを知った。EF24mm f/2.8は中古なら2万円弱で買えることも同時に分かった。はっきり言って旅費よりも高い値段ではあるが良き思い出が作れるなら、と購入した。この時点でカメラ機材台はトータルおおよそ10万円である。

 

 

フルサイズへ、GASへ

DMC-LX3はまさに相棒であった。不満点は何もない。画質にこだわっているわけではないのでそのコンパクトさ、手軽さが大好きだった。

 

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ISO125 F2 1/30 DMC-LX3 Taipei

 

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ISO80 F2 1/125 DMC-LX3 Taipei

 

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ISO80 F4 1/500 DMC-LX3 Taipei

 

変化は突然訪れた。いわば2泊3日の弾丸旅行であった台湾で、ある路地裏で少女が小籠包を作っていた。赤い衣装を着たまだ10代と思しきその少女は長い黒髪を後ろで束ね一心不乱にタネを皮に包んでいた。その光景は少し現実離れしており、なぜか純粋に心を打たれた。今の日本ではまずお目にかかれない光景だろう。

そして写真を撮ろうとしたのだが換算24mmのDMC-LX3では背景をぼかしてその少女を浮き立たせることができない。もちろんズームはあったが、ブレた写真になる、ということは6年間の経験で分かっていた。(今は理論的に説明できる)

近づけるような雰囲気でもなかったため結局その瞬間は写真に収めることができなかった。それで帰国してから色々と考えた。またいつかこのようなチャンスがあった時は必ず写真に収めよう。それで5DMKIIの中古を手にすることになった。

DMC-LX3

Nikon D40はとても気に入っていたし、吐き出す絵に不満もなかった。もっともそれを評価するほどの経験も知識もなかったわけだけど。

今思えば、例えば5DMKIIなんかと比べればD40はとても小さい一眼レフだけれども、それでも持ち出すのに億劫になってしまった。それで手頃なコンデジを再び探した。しかし無数ある商品の中でどれか選ぶのは、優柔不断な私にとっては至難の技だった。

ライカのOEMであるPanasonic DMC-LX3に偶然目をつけた。安いし、D40と例の単焦点を売ればお釣りもくるし、それで旅行でもしようと決めた。

amzn.to

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ISO80 F4.5 1/1000 DMC-LX3 City of Yokohama

 

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ISO80 F2 1/30 DMC-LX3 City of Yokohama

 

結局このカメラはその後6年に渡って使用することになる。ある時期から保存するにはRAW形式が良いと学んだため、今でもRAWファイルをスペック上の高画質で現像できる。何事も勉強だ。

コンパクトで気軽に撮れるカメラ。時々ライカD-LUX4風の色付けにしてみたり、本当に思い出が詰まったカメラだ。台湾旅行にも持って行ったし、それで何の不満もなかった。今思うことは、本当にこれで満足していたのになぜこんな状態(GAS)になってしまったのか。戻れるならDMC-LX3と共に再び歩きたいと思う。 

初めての単焦点。AF-S DX Nikkor 35mm f/1.8G

Nikon D40を購入しておよそ2年後の2009年、きっかけは定かでないがレンズを交換してみようかと考えた。それで生まれて初めてレンズの焦点距離について調べた。35mmか50mmがオススメらしい、単焦点が写真を勉強するのに良いらしい、写真は足を使って学ぶらしい、APS-C焦点距離が1.5倍になるらしい、誰それの有名な写真家は35mmを使っているらしい。

正直頭が痛くなった。元来粘着質で凝り性の私には相当にこたえた。しかも当時、レンズに3万円近く払うというお金の使い方が全く理解不能であり、それこそ10万超えるレンズは珍しくないらしい。別世界の話であった。転職して僅かに給与も増えた。それで奮発してAF-S DX Nikkor 35mm f/1.8Gを購入した。

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ISO200 F2.2 1/20 Nikon D40 Nikkor 35mm f/1.8G

まずはじめに驚いたのはそのボケ具合だった。F3.5のキットズームでは出せない魅力的なボケっぷりである。

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ISO200 F2 1/15 Nikon D40 Nikkor 35mm f/1.8G

 

問題点はといえば、カメラの使い方がよくわからず相変わらずPモードで撮っていたため絞りを任意に開放できなかった。よってボケてるにはボケているが、もっとボケさせることもできたわけだ。今残っている作例は全てオートで撮っており、残念ながらF1.8のボケ写真はない。

そして数ヶ月してこのレンズは手放すことになる。同様にD40も。