Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

エッセイ(雑記)

Lumix DMC-LX3と歩いた台湾

2014年、私は台湾に居た。 3月の寒くも卒入式シーズンでむせ返るような熱気を帯びた羽田空港を金曜日の朝に発った。2泊3日の弾丸旅行。今となっては信じられないほど自由な世界だった。 当時、カメラというカメラも持っておらず、ポケットにそのまま入るLumi…

iPad その魅力と忘却の彼方へ

先日、妻へiPad miniをプレゼントした。 現在のモデルが10年近くなり、さすがに挙動がおかしくなってきたこと、おまけにホームボタンは陥凹したまま戻らず、もはや機能していなかった。それでも節約家の彼女は「壊れるまで使う」と言い張り、うずくまったま…

ライカM3の鑑定結果について

11月8日放映のなんでも鑑定団で稲垣吾郎さん出品のライカM3ブラックモデルが査定された。 www.tv-tokyo.co.jp 鑑定士のコメント M3のオリジナルブラックペイントに間違いない。ボディは1963年製、レンズはズミクロンF2の50mmで1961年製。M3は1966年ま…

フィルム売り場が無くなっていた。

近所の家電量販店のカメラ関連売り場が改装され、見事にフィルム売り場が撤去されていた。それどころかカメラ売り場の規模そのものが縮小、休日だというのに客は少なく閑散としている。 カメラが売れない時代 今更始まった訳ではないが、身近で起こるとやは…

ライカはアガるか

先日YouTubeを見ていると富士フィルムとライカを比較する動画がおすすめに表示された。 有名なカメラマンの動画のようで、両者使用経験がある身としてまあ何気なしに見ていたのだが、途中で猫が暴れたので途切れ途切れになってしまった。 内容(概要)として…

素晴らしき日々

先日保護猫を貰い受けました。1ヶ月半の♀です。 先代猫が旅立ってから夫婦共々なかなか次の一歩を踏み出せないままでしたが、これからまた素晴らしい日々が訪れますように、希望を持って。 どうぞよろしくお願いします。 M型ライカとレンズの図鑑 エイ出版社…

鎌倉、東慶寺にて

昨年のお話。 尊敬する小林秀雄先生が眠る東慶寺へお墓参りを兼ねて訪問した。 東京から鎌倉へ。県は違えどそこは関東圏、電車で1時間もかからない。しかし不思議なことに駅を降りると空気が違う。 東から運ばれてくる潮を含んだやや湿った風が心地良くて、…

梅雨が好き

五月晴れの夕暮れ時、生まれて間もない新緑の葉から立ち昇るシダーウッドのようなスパイシーでやや切ない香りが片開き窓の隙間から部屋の中へ湿気を運んでくる頃、新しい季節の始まりを感じる。 一般的には敬遠されがちな梅雨の時期だが、私は好きだ。 1年の…

現像ソフトあれこれ

先日かなり安くなっていたLuminar Aiをダウンロードした。 しばらくいじくり回した後、私の使用上特に問題はなさそうなので、2台分のライセンスを購入した。 自宅用と会社用と。 これまでずっとPhase OneのCapture One(CP1)を使ってきた。それこそバージョ…

焼けたネガとライカ

去年の初め頃、フィルムを巻き戻す前に底蓋を開けてしまったことがある。 その時はショックで現像したネガを見もせずに棚に放り込んでしまったのだが、今となっては大変いい想い出話となっている。 湖畔に到着したのはまだ薄暗い明け方で、ほんのり朝霧が漂…

草葬

そうか、もういないんだな。 朝早くに起き、いつものようにお湯を沸かす。コーヒー豆を挽き、トースターでパンを焼く頃、いつの間にか足元に現れてニャアと小さく鳴く。お腹が空いた合図だ。今はもうその気配だけが残っている。 ペットロスから回復するのに…

10年問題と新型 GR IIIx

RICOHが思い切った戦略に打って出た。代名詞とも呼べる換算28mmを40mmに変更したGRが10月1日に発売されることはファンならとっくに周知の事実である。正直、個人的にこの焦点距離はドストライクゾーンなので是非欲しい。 40mmといえばフィルムライカCLで使用…

休暇と写真と

悪天候と自粛が重なってせっかくの休暇なのに外出が全くできない。 良い機会なのでこれを定年退職後(まだまだ先だけど)のシュミレーションなんだと思うことにしてみた。 朝はストレッチと軽い読書。日中はアイスコーヒーを飲みながら映画や音楽鑑賞。日暮…

猫を撮る理由

家猫を撮るのが好きで、フィルムやカメラのテスト撮影によく猫をモデルにしている。 被写体としては優秀だし、存在そのものが絵になる。そして何より私が猫が大好きなため、いつまでも飽きない。 先日、このブログでもよくモデルになっている八割れ黒白猫が…

撮影中、沼にはまった話

少し小話。 もしかするとタイトルから、カメラやレンズを購入する衝動が抑えられない依存性疾患(英語ではGAS;Gear Acquisition Syndrome)、いわゆるカメラ・レンズ沼を想像された方もいるかもしれないが、今回は本当に沼に脚がハマって、一時はどうなるこ…

個人輸入にまつわる色々な思い出

思えば昔から個人輸入を頻繁にしてきた。書籍やレコードなどの小さいものから服や楽器に至るまで。今は日本からでも外国のAmazonで手軽に購入できるが、20年前の当時は現地のショップにアクセスして送ってもらう必要があった。そんな思い出について語りたい…

フィルムは存続すると信じる理由

謹賀新年。初号だがフィルムユーザーにとってはあまり喜ばしい話ではない。鮮やかな青みがかった色が特徴のFUJI PRO400Hが販売終了とのアナウンスがなされた。 このフィルムは国内で買えるものとしては大変安価で、ポートラの代わりとして長らく愛用してきた…

2020年最後の東京散策

東京散策に出かけた。といっても大それた事ではなく、ローライコードを鞄に入れて上野、根津、谷中あたりをブラブラ。撮るものがなければそれでいい。およそ3ヶ月ぶりである。 Fujipro400H / 上野 人混みを避けるために本郷の裏道を歩く。休日の東大周辺は静…

これからの写真(カメラ)との付き合い方

写真を撮らなくなって早数ヶ月が経とうとしている。 季節の変わり目と外出自粛のムードが徐々に写欲を蝕み、いつしかその状態に慣れてしまった。 数ヶ月前、退職する同僚の写真を撮ったきり棚に置きっぱなしのローライコード。部署のメンバーで集まってセル…

富士フイルム X シリーズの思い出

寒い季節になるとなぜか富士フイルムのXシリーズが恋しくなる。スマートなルックスと落ち着いたブラック、そしてコートのポケットに収まるサイズ感。私にとって富士フイルムは間違いなく冬のイメージだ。 Lightroomの検索をかけてみると、これまで使ったボデ…

単体露出計の必要性

かなり大胆なタイトルになってしまったが、おそらくフィルムカメラユーザーなら必ず一度は悩まされるテーマである。 古い露出計。セレン式で強力な磁場を放つ。 結論から言えば、21世紀の現在においては、写真を撮る目的にはほぼ必要ない機材である。デジカ…

スポーツジムを退会した話

スポーツジムを退会した。 30代後半から始めたジム通い。知り合いがゴールドジムユーザーだったので紹介特典の流れで入会。それから別のジムへ移り5年になる。 私は完全にインドア派だが、元々身体を動かすことは嫌いではない。マラソンもチャレンジしたし(…

風吹き荒れる中禅寺湖(奥日光遠征)

例年3月は妻と1泊旅行をするのが恒例で、北関東を中心に車で3時間圏内を散策していたのだけれど、このご時世、やむなくキャンセルをした。 そのかわりに1人で奥日光へ日帰りで行くことにした。まだ自粛要請が出る前の話である。まあ湖の写真を撮るだけだしク…

続編:ストリートフォトについて思うこと

「〇〇さん、写真撮ってるんでスよね、これってどう思いまスか?」 職場の男の子(といっても十分に成人だけれど、私からすれば20代は男の子に見える)、がそういってスマホの画面を見せてきた。 写っていたのは例のアレである。現状公式では削除されている…

誰がためにフィルムで撮る For Whom the Film Is Taken

写欲は一向に戻らない。最後に記事を投稿してから撮影したのは120フィルム2ロールのみ。猫と花と、正月の家族写真。 元日の猫 Hasselblad 500C/M CF100mm F3.5 以前から気になっていたZINE。撮りためた材料も集まった事だし、そろそろ1冊、というわけで FU…

少し休息が必要かもしれない

海外から戻ってきてめっきり写欲が失せてしまった。 理由は分からないが、率直な気持ちを言葉にすれば撮りたい対象が無い、ということになる。 家族(といっても妻と猫の3人暮らし)の写真を撮るのは大変意味のあることだが数年後に見直して「なんか若いねー…

ヨーロッパ周遊記

前回に続いて:ヨーロッパへ持参したカメラは Hasselblad 500C/M、Rollei 35 そして GR II 。 選択には 1 ヶ月かかった。中判で撮りたいが如何せん大きい。フルサイズデジカメは必要だろうか、GR II で十分かな、などなど。まあよくある悩みだ。結局本能にし…

ストリートフォトについて思う事

ストリートフォトを定義するのは非常に難しいが、色々調べると基本的にはヒトと人工物の組み合わせが写っている写真をそう呼ぶらしい。 ただし人といっても自分の家族や友人ではダメで(それらはポートレートや記念のスナップ写真になる)、全く赤の他人、し…

Ferrania P30 レビュー

FILM Ferrania社はイタリア北部のフィルム会社で、1917年の創立以来一貫して写真、映画用にフィルムを供給している。P30はもともと映画用のフィルムだったものを静止画(Still)用にしたもので、1960年代の復興版として再発されている。残念ながら日本での取…

ONA Bowery レビュー

ONAのカメラバッグを使ってもう3年近くになる。 カメラバッグらしくない外観と革のパーツ、サイズ感がちょうど良い。一眼レフを入れるにはやや頑張ってしまう感があるが、M型ライカならその他にフィルム、財布、スマホ、車の鍵などを入れても余裕がある。実…