Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

カメラのネット販売が停止されていた話

つい先日都内にある某老舗カメラ店のWebサイトを覗くと、ネット販売を終了したと掲示されていた。

今やマーケティングに欠かせないネット販売を中止というのは只事ではなく、また私自身がよく利用していた店なので、大袈裟にいえば、大変驚いた。

店舗についての詳細は控えるが、まあ良い店で、特に35mm、中判、大判と揃っているし、全てオーバーホール済みで整備の腕も良い。

値段は安くはないが上記メンテナンスがしっかりしているので妥当といったところ。まあ私のようなカメラ懐古主義の人間にとっては貴重なお店だった(といっても閉店した訳ではないので誤解しないでください)。

Road Trip #3

Webサイトには大切なお知らせと題してネット販売を止めた理由が書かれていた。

まとめると、原因は不心得な顧客による理不尽なクレームで、その多くはフィルムカメラ初心者による操作ミスによる故障とのことだった。

さらに自分の過失であるにも関わらず修理代や返金を店側に要求、店の対応が気に入らなければ罵詈雑言を送りつける(おまけにSNSへの投稿などする)者もいたらしい。

返品の容易い某サイトの影響か、単なるゴネ得か。

私は何度もこの店を利用したことがあるが、これまで購入した製品の初期不良や保証期間内の故障などは皆無であった。たまたま運が良かったのかもしれないが、中古製品の調整は完璧であるし保存状態も良い。

ただしこれは ”使う側が正しく使える” という前提条件あってこそで、それが担保されてはじめて店側もユーザーもハッピーに商取引を終えることができるのではないかと思う。

My M6

例えばハッセルブラッドのレンズ交換の儀式は重要であるし、マキナは無限遠で蛇腹を仕舞うのがマナー、M3のセルフタイマーは使わない(と、これは冗談だが、地雷を踏む緊張感はある)、などなど、これらをおろそかにすると文字通りあっという間に故障してしまうくらい機械式カメラは精細な作りをしている。

こういったルールを守るのはユーザーとしては当然のことであると思うのだが、最近のフィルムカメラブーム?レトロブームによって、軽いノリのユーザーが増えたのだろうか。よく分からない。少なくとも私はそういう触り方はせず、購入前に使用方法を調べまくってから骨董品と対峙するのが常だからだ。

まあどっちにしても店側としてはたまったもんではないだろう。 

以前、寺での撮影が禁止になったという記事を書いたが、あれも心無いユーザー達の振る舞いが原因である。 こうやってまた一つ大切な機会が失われていくのだろうか。 嘆かわしい。