Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

焼けたネガとライカ

去年の初め頃、フィルムを巻き戻す前に底蓋を開けてしまったことがある。 その時はショックで現像したネガを見もせずに棚に放り込んでしまったのだが、今となっては大変いい想い出話となっている。 湖畔に到着したのはまだ薄暗い明け方で、ほんのり朝霧が漂…

草葬

そうか、もういないんだな。 朝早くに起き、いつものようにお湯を沸かす。コーヒー豆を挽き、トースターでパンを焼く頃、いつの間にか足元に現れてニャアと小さく鳴く。お腹が空いた合図だ。今はもうその気配だけが残っている。 ペットロスから回復するのに…

続:フィルムの終焉

富士フイルムの160NSディスコンのニュースに心が痛んだ。 ニュートラルなカラーで使い勝手がよく、かなり安価。これから中判フィルムを楽しむ方にも、気軽に手を出しやすい良いフィルムだった。 FUJIFILM カラーネガフイルム(プロフェッショナル用) フジカラ…

ズミルックスとズミクロン35mm

海外レンズブログやYouTube動画などでもよく取り上げられる比較。私も含めこの2つのレンズ、どちらを入手すべきかで悩む方は多いだろう。もちろん2つとも手にするのも夢があっていい。両方使用した経験から個人的な感想を述べたい。ほどほどに参考にしていた…

10年問題と新型 GR IIIx

RICOHが思い切った戦略に打って出た。代名詞とも呼べる換算28mmを40mmに変更したGRが10月1日に発売されることはファンならとっくに周知の事実である。正直、個人的にこの焦点距離はドストライクゾーンなので是非欲しい。 40mmといえばフィルムライカCLで使用…

休暇と写真と

悪天候と自粛が重なってせっかくの休暇なのに外出が全くできない。 良い機会なのでこれを定年退職後(まだまだ先だけど)のシュミレーションなんだと思うことにしてみた。 朝はストレッチと軽い読書。日中はアイスコーヒーを飲みながら映画や音楽鑑賞。日暮…

猫を撮る理由

家猫を撮るのが好きで、フィルムやカメラのテスト撮影によく猫をモデルにしている。 被写体としては優秀だし、存在そのものが絵になる。そして何より私が猫が大好きなため、いつまでも飽きない。 先日、このブログでもよくモデルになっている八割れ黒白猫が…

撮影中、沼にはまった話

少し小話。 もしかするとタイトルから、カメラやレンズを購入する衝動が抑えられない依存性疾患(英語ではGAS;Gear Acquisition Syndrome)、いわゆるカメラ・レンズ沼を想像された方もいるかもしれないが、今回は本当に沼に脚がハマって、一時はどうなるこ…

ライカMP 0.72 レビュー

残念ながら、私の所有物ではない。期間限定(3月いっぱい)の使用だがなるべくフラットにレビューしたい。 しかし久々のライカは楽しい。M6を手放してからというもの、ここにきてライカ熱がマグマのように吹き出した感がある。 MPはM6の分身のように言われる…

レンズの順位付けをしている中で感じたライカ、とその魅力について

在宅・時短勤務が長引くと過去の思い出に浸る時間も多くなる。思いつき企画でこれまで使ってきたライカレンズに順位をつけてみたい。そしてその流れにおいて、ライカの魅力について後半に語ってみる。 第3位 ズミルックス 50mm 2nd なんというか、懐古主義と…

個人輸入にまつわる色々な思い出

思えば昔から個人輸入を頻繁にしてきた。書籍やレコードなどの小さいものから服や楽器に至るまで。今は日本からでも外国のAmazonで手軽に購入できるが、20年前の当時は現地のショップにアクセスして送ってもらう必要があった。そんな思い出について語りたい…

フィルムは存続すると信じる理由

謹賀新年。初号だがフィルムユーザーにとってはあまり喜ばしい話ではない。鮮やかな青みがかった色が特徴のFUJI PRO400Hが販売終了とのアナウンスがなされた。 このフィルムは国内で買えるものとしては大変安価で、ポートラの代わりとして長らく愛用してきた…

2020年最後の東京散策

東京散策に出かけた。といっても大それた事ではなく、ローライコードを鞄に入れて上野、根津、谷中あたりをブラブラ。撮るものがなければそれでいい。およそ3ヶ月ぶりである。 Fujipro400H / 上野 人混みを避けるために本郷の裏道を歩く。休日の東大周辺は静…

これからの写真(カメラ)との付き合い方

写真を撮らなくなって早数ヶ月が経とうとしている。 季節の変わり目と外出自粛のムードが徐々に写欲を蝕み、いつしかその状態に慣れてしまった。 数ヶ月前、退職する同僚の写真を撮ったきり棚に置きっぱなしのローライコード。部署のメンバーで集まってセル…

富士フイルム X シリーズの思い出

寒い季節になるとなぜか富士フイルムのXシリーズが恋しくなる。スマートなルックスと落ち着いたブラック、そしてコートのポケットに収まるサイズ感。私にとって富士フイルムは間違いなく冬のイメージだ。 Lightroomの検索をかけてみると、これまで使ったボデ…

Zenza ブロニカの思い出

中判カメラの中で、私が最初に手にした 6x6 フォーマットはゼンザブロニカだった。安価であったというのが入手の単純な理由だが、残念ながらファーストロールで手放す事になった。ある意味で不遇な、カメラである。 Zenza Bronica C2 ゼンザブロニカの名誉の…

単体露出計の必要性

かなり大胆なタイトルになってしまったが、おそらくフィルムカメラユーザーなら必ず一度は悩まされるテーマである。 古い露出計。セレン式で強力な磁場を放つ。 結論から言えば、21世紀の現在においては、写真を撮る目的にはほぼ必要ない機材である。デジカ…

Rolleicord Vb レビュー

正直なところ世間(といってもフィルム愛好家の狭いコミュニティだけれど)ではローライフレックスの廉価版というイメージが強く、往々にしてプアマンズフレックス(poor man's rolleiflex)などと揶揄されがちなのだが、それは全くの誤解である。 Rolleicor…

Leica M5 レビュー

M5は他のMモデルと比べやや異質だ。まずそのデザイン。なんともモダンな佇まいで、これは良い意味で新しい時代のライカを予感させるものであったが、そのやや拡大した大きさやのっぺりとしたデザインがライカパトロンとも呼ばれる熱心なユーザーから反発を買…

Leica M4-P レビュー

ここ数年、市場でめっきり姿を見せなくなったM4-P。個人的にはライカM6に次いで使用歴の長いモデルで、このカメラとともに色々な思い出を作った。 M4-PのコンセプトはM4に28mm枠を付けたプロ仕様とのことだが、露出計を除いたM6と考えた方が分かりやすいかも…

Leica Elmarit 28mm F2.8 ASPH レビュー

前回ウルトロンの記事を書きながらそういえばエルマリートについてのレビューがないことに気がついた。せっかくなので 28mm DAY。暑さに負けず拙い言葉を紡いでいきたい。 ライカエルマリートの歴史は比較的古く、初代モデルは1964年に発売された。その後マ…

Voigtlander Ultron 28mm F2 VM レビュー

2008年8月に発売されたライカMマウント用大口径広角レンズ、Voigtlander Ultron 28mm F2 VM。少しだけ触る機会があったので簡易レビュー。 このレンズ、超屈折率レンズ採用で全長51.2mm、重さ240gと、大口径レンズにしては軽く短く、コンパクトなライカに最…

Rolleiflex 3.5F レビュー

この猛暑の中、マスクしながら外出、さらに撮影などとてもできそうにないので自宅で写真の整理。最近連続で記事を書いているが、全て暑さのためである。 写真の整理をしていたらRolleiflexで撮られた写真が出てきた。もう数年も前になる。 もう特に説明もな…

Plaubel makina 67 レビュー

初代タイプは1979年にドイインターナショナルより発売され、広角レンズ搭載タイプのW67や220フィルムが使用可の670タイプがある。詳しい歴史などはWeb上至るとこに散らばっているためそちらを参考にされたい。 レビューの前に現状の報告だが、このカメラ、今…

Mamiya RZ67 Pro II レビュー

1993年、中判カメラで有名なマミヤから発売。RB、RZ、と続く最後の6x7モデル。 このカメラを使っている日本のカメラマンで最も有名なのは市橋織江さん。なんでもこの重たいカメラを担いでフランスを旅して回ったとか。 PARIS (市橋織江写真集) 作者:市橋織江…

Zuiko レンズの魅力

前回に続いてオリンパスの話題。 OM-2N 入手をきっかけにいくつかレンズを試してみた。簡易レビューしてみたい。 総括すると、OM レンズは優秀で個性的、コストパフォーマンスに優れる。もちろん細かい点、例えば収差補正、解像度、コントラストでは現代設計…

オリンパスOMレビュー(ライカとの別れにかえて)

2019年末、まだ感染騒ぎが起こる前の話だが、法事で5年ぶりに帰郷した。 珍しく親戚も集まるというので記念写真でも撮ろうと思いM6を鞄に詰めて新幹線に乗り込んだ。在来線を乗り継いで故郷に到着したのは夜半過ぎ。人は誰もおらず閑散としたホームに降り立…

Pentax 645 NII レビュー

1984年に初代モデルが発売されて以来、1997年にはオートフォーカス機能を備えたN、そして2001年にミラーアップを搭載したNIIとマイナー・メジャーアップデートを繰り返してきたハイエンドモデル。 2009年9月に発売が終了するまでファッションフォトグラファ…

デジタルはどこまでフィルムに近づけるのか

Web検索で良い感じのフィルム写真を見つけた。被写体もそうだが何よりその全体的な雰囲気がいかにもフィルムぽい。しかしよく見てみると、VSCOとある。 VSCO: 写真加工・動画編集アプリ Visual Supply Company 写真/ビデオ 無料 ほとんどの方がご存知だと思…

Flexaret VI レビュー

長いこと記事にしようと思ってそのままになっていた備忘録レビュー。 このカメラを知ったのは本当に偶然で、チェコ出身の小説家クンデラの存在の耐えられない軽さを読んでいた流れでチェコスロバキアに興味を持ち始めた。同時期、不思議なことに幾つかの店舗…