Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

Carl Zeiss C-Sonnar 50mm F1.5 ZM レビュー

ゾナータイプは1932年以来構成は変わっていない。CはClassicのCではなく、CompactのCとあるが、その通り、開放F1.5と大口径であるにも関わらず大変小さく、そして250 gと非常に軽い。LEICAに装着した姿はとにかくカメラそのもので、多くの人はそのルックに惚れ込むだろう。

I love Sonnar

開放F1.5で気になるのはBokehだが、大変なだらかで、そして繊細。SIGMA ARTシリーズのように1点の凹凸も許さないような完璧なBokehではないが、個人的には被写体を唯一無二の、有機的な霧から浮き上がらせてくれる、そんな感じを受ける。

Zeiss C Sonnar 50mm F1.5 ZM

特に開放時の光の描写は素晴らしく、どちらかといえば大好きなDIstagon 35mm F1.4 ZMの描写に近い。ややハイキーに撮影しても、ハイライトのディテールを保ったまま必要な光量を必要なだけフィルムへ送り届けてくれる。うまく言葉にできないが、純度の高い蒸留水を作るように、レンズを通して太陽光を純粋な、美しく品の良いものへと変えてくれる、そんな気がする。

Afternoon

フレアは、実用面ではほぼ完璧に抑えられており、例えミラーレスなどに装着して使っても逆光や斜光で悩まされることは少ないと感じる。長年培ったZEISSのコーティング技術を存分に発揮しながらオールドレンズの良さを踏襲しており、やはり唯一無二の存在。

Before sleeping

最短撮影距離が90 cmのため被写体との距離、例えばFood Photoなどでは多少工夫が必要だろう。しかし大抵は日常生活で困ることはない。例えばポートレートなどの撮影で90 cmの距離は相当近い。普段35 mmレンズに慣れている方ならば50 mmで90 cmまで近づくとフレームを埋め尽くす被写体の大きさに戸惑うほどである。ただ、もしミラーレス機で使うのならばフォクトレンダーVM E-Close Focus Adapterなどの使用をオススメする。およそ半分、45 cm程度まで近づけるようになるが、メーカーは90 cmで最高画質を維持できるように設計してあるため、意図しない収差や歪みに備える必要がある。

House cat

フォーカスシフトの問題、つまり絞り値によって同じ合焦距離でもピントが前や後に少しずれてしまう事を懸念されている方もいると思うが、個人的には明らかに問題のある描写になった事は一度もないし、気になる事もない。例えばF1.5の最短距離撮影において被写体がややフンワリする事(ディテールが柔らかいので女性のポートレートに大変向いている)は前後のピントずれが原因なのか、このレンズがそもそもそういったものなのかは、どちらでもよい事であるし、描写が素晴らしいことには変わりない。

ただし、もしあなたがピクセルピーカー(細部まで結像している事にこだわる人)ならばこのレンズはお勧めしない。

old Piano

同スペックで気になるのはやはりLEICA SUMMILUX 50mm。私はこれまで第二世代とASPHを使ったことがあるが、描写的には第二世代が大変近い。もし逆光時の画面全体を覆うようなフレアが好みならば第二世代をお勧めする。

正直私はこのレンズ、3本目である。付き合っては別れてまたよりを戻す、の繰り返し。最近になってようやくお互いが歩み寄れた感がある。是非みなさんも。