Cure of GAS

Castle Rock Photography

写真やカメラにまつわる話を淡々としていきます。

Leica Elmarit 28mm F2.8 ASPH レビュー

前回ウルトロンの記事を書きながらそういえばエルマリートについてのレビューがないことに気がついた。せっかくなので 28mm DAY。暑さに負けず拙い言葉を紡いでいきたい。

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イカエルマリートの歴史は比較的古く、初代モデルは1964年に発売された。その後マイナーチェンジを繰り返して2006年に初の非球面(asph)モデルが発売された。これが5代目。2016年にasphの2代目、つまり6代目となり現在に至る。

Tokyo Skyscraper

非球面になって大きく変わったのは描写はもちろんのこと、特筆すべきはそのサイズ。

フィルター径は初代をE48とし、その後E49、E46など目まぐるしく変更され、asphでE39と、まあいわばライカ標準のフィルター径になっている。鏡筒の長さもおよそ半分近く、重さも初代から非球面まで約250gだったものがasphでは200gを切っている。

 

エルマリート28mmで人気なのは初代モデル。広角でありながら球面レンズが醸し出すオールドテイストの描写は甘く、切なく、見るものの琴線に触れる。この描写は現代設計のレンズや、例えポストプロセスでも表現できないだろう。そしてなんといってもそのくびれの鏡筒デザインが大変艶があり、見惚れてしまうのは事実。後玉の大きな突き出しによって使用できるカメラが限られているにもかかわらず中古ハイプライスがそれを裏付ける。

Rainy Day


と、まあ書いてはみたが、作例を見る限りでは個人的には対価に見合う製品とは思えない。それよりも2代目の初期モデルがこのくびれを踏襲しているため、理性・合理的なユーザーはこちらを選ぶのが定石。

しかし2代目も問題がないわけではない。前玉が飛び出ているため通常のフィルターを付けられない。ステップアップリングで避ける方法もあるがやや見た目を損なう。では3代目、4代目についてはどうか。この世代になると描写がかなり現代的になっており、つまりプライス以外ではこの世代をあえて選択する理由がない、と個人的には判断し、それで私はasphにした訳である。

長くなってしまったが、本題に戻ろう。 エルマリート28mm asphは現在設計の非球面とあって写りについてはもはや何もいうことはない。ブログ内作例は全てこのレンズで撮られたもの。パリッとシャキッと、あるがままをコントラスト良く写し出す、いわば己の仕事をよく分かっている28mmである。

Skytree Cafe in Tokyo Japan

そしてそのコンパクトなサイズはこれまたレンジファインダーと最高にマッチする。フードをつけるとやや出っ張るが、それでも大変スリムで鞄の出し入れもスムーズ。私のように撮影毎にONAの鞄からカメラを取り出すスタイルのユーザーには大変ありがたい。何よりも速写性に優れる。まあなんというか、一緒にいて楽、という感じ。

The Garden in the rain

このレンズ、特に往年のユーザーからは面白くない、と揶揄されあまり人気がなかったためか、中古価格は比較的リーズナブルで、物によっては10万円を切るものもあった。しかしそれが最近驚くほど高騰中。

需要に対して供給量は減る一方なので市場価格は上がるしかない。全く疲れる話である。

 

個人的にリプレイスメントとしてはビオゴンを推す。あのレンズは価格、描写ともに本当に素晴らしい。是非。