Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

Rollei 35 レビュー

ヨーロッパ周遊に Rollei 35 を持って行ったので、旅カメラとしての実地レビュー。

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Rollei 35 Germany

Rollei 35シリーズはいくつか種類あるが、これは Carl Zeiss Tessar 40mm F3.5 のベーシックなモデル。とにかく軽く、小さい。そして素晴らしい描写をする。この他にF2.8のSonnarやトリオターもあり、それぞれ描写傾向がやや異なる。

Galleria Vittorio Emanuele II

旅の間、文字通りポケットに忍ばせて街歩きをしながら気になった物や瞬間を切り取った。開放F3.5は決して明るくないレンズだが、ミラーショックが無いため、ISO400でSSを1/8にすれば大抵のシーンで手持ち撮影できた。

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Fish market

 

しかし露出はいいとして、問題はやはりピント合わせだろう。

このカメラの特徴はコンパクトさと優秀なレンズの他に何よりも玄人好みのピント目測という点であることは否定できないと思う。レンジファインダーの二重像やレフのピント合わせとは大きく異なる、距離による測定。信用できるのは己の距離感のみ。

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F16

とはいえ遠景は問題ない。ISO400  F10  1/140で 1 m から無限遠までカバーする "写るんです理論(ただし焦点距離 32 mm の場合)" と同じく、ISO 400 1/250 F16 でピントを 3 m 程度に合わせれば 1 m から無限遠までピントが合う。ファインダーを覗いて構図を決めてシャッターを押せばよい。

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F16

しかしやはり夕暮れ時など絞り込めない状況ではこの方法は使えない。前述の距離感覚のみが頼りになるが、どういうわけかこの作業がやたら楽しい。

撮りたい被写体を見つけたら標準の狭間の焦点距離 40 mmの画角をイメージしながら距離を目測する。慣れてくると被写体を見つけた時点で左手はピントリングを回している。 いやむしろピントリングを先に回して距離をセットし、体はその位置へ移動するといったほうが良いだろうか。まさに撮影者がカメラを操作するのではなく、カメラが撮りたい被写体へ撮影者を誘導する。そんな擬人化が起こる。

Restaurant Les Armures

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F4

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F3.5

今回の旅に持参するカメラとして 35mmフォーマットはいくつか候補があった。しかしハッセルを持って行く関係でどうしても重量制限がある。消去法でRollei 35になったわけだが帰国してネガを見ると全く後悔が無い。とにかく素晴らしいカメラである。

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Geneve

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Geneve

 

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 皆さんも是非。

Rollei 35 silver

Rollei 35 silver