Cure of GAS

Castle Rock Photography

日々について淡々と書きとめてます。

単体露出計の必要性

かなり大胆なタイトルになってしまったが、おそらくフィルムカメラユーザーなら必ず一度は悩まされるテーマである。

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古い露出計。セレン式で強力な磁場を放つ。

結論から言えば、21世紀の現在においては、写真を撮る目的にはほぼ必要ない機材である。デジカメなら100%必要ないし、たとえ露出計の付いてない古いカメラでも、正直スマホアプリで十分、少なくとも大幅な白飛び、黒つぶれは無く撮影できる。

もしデジカメをお持ちなら、どんなチープなカメラでも、一度それで撮って、ISO/ SS/ F値 を確認、任意の値に換算してフィルムカメラを設定すればいい。失敗が許されない環境ならばこの方法が最も信頼性がある。

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L-758Dはスポットメーター内蔵で、ほぼ全ての機能を備えている万能機。

とは言え個人的には単体露出計を、それこそなんとなく使っている。 理由は作業工程が楽しいからである。

被写体が決まったら光を測る。遠景ならば反射式(reflected)、手が届く距離ならば入射式(incident)。特にスポットメーターのような極狭い範囲での反射式ならばハイライトとシャドーをそれぞれ測定し、どちらを強調すべきか考察する。

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右上Ansel Adamsが愛用していたペンタックスデジタルスポットメーター

フィルムに余裕があれば、ハイライト、シャドー、中間グレーの3枚をそれぞれ撮影するのも良い。現像後の楽しみが3倍に増えるだろう。

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スポット測定されたEV値をもとに各ゾーンの露出を決定する。

もちろん露出計に完全に従う必要はない。というよりも、露出計の数字を元に自分なりの光の表現を求めていくのが単体露出計の真骨頂。頭も使うし悩む。

 

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L-208はアナログ針による視認性が抜群で、軽くコンパクト。

話が逸れてしまったが、最後に個人的におすすめの単体露出計を紹介したい。これまでたくさんの露出計を使ってきたが、セコニックの L-208 はその中でも最も使用頻度が高く、そして小さくて使いやすい。

同サイズ帯のデジタル表示式 L-308 も相当良かったが、L-208 はサイズ、機能、プライス、アナログ針による計測など、どれをとっても私のニーズにマッチしている。

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黄昏時の Geneva。露出計無しでは不可能なシチュエーション。ハッセル500C/M。

最初に述べたように、単体露出計は無理してまで買う必要はない。安いものでも国産オールドレンズが買える値段はする。しかし、マンネリしたカメラライフに少しスパイスを加えたいならば是非お勧めしたい。

 

追記:The Map Times の記者さんがこの記事を読んでいるのかしらと勘違いするほどのタイミングでVCメーターについての最新記事です。

セコニック 露出計 ツインメイト L-208

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  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: エレクトロニクス
 
SEKONIC 露出計 デジタルマスター L-758D JH30

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  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: Camera
 
SEKONIC 露出計 フラッシュメイト L-308S JE17

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一人称単数 (文春e-book)

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デジタルはどこまでフィルムに近づけるのか

Web検索で良い感じのフィルム写真を見つけた。被写体もそうだが何よりその全体的な雰囲気がいかにもフィルムぽい。しかしよく見てみると、VSCOとある。

VSCO: 写真加工・動画編集アプリ

VSCO: 写真加工・動画編集アプリ

  • Visual Supply Company
  • 写真/ビデオ
  • 無料

ほとんどの方がご存知だと思うが念のため、VSCOはフィルムシュミレーションアプリで、この分野では恐らく最も有名だろう。現在デスクトップ版は廃止でスマホ用アプリのみになってしまった上、サブスク(月額、年額支払い)のみとなっているが、フィルム風写真ブームの波に乗りユーザーを着実に伸ばしている。

上述の写真、私が意外に思ったのは、その写真は間違いなくフィルムで撮られていたのだが、そこにさらにVSCOで加工しているという点だ。フィルム写真にVSCOを当てることでよりフィルムぽさを引き出す。なるほど。フィルムユーザーとしての感情論は隅に追いやったとして、雰囲気が良いのは間違いない。それではデジタル+VSCOとフィルム+VSCOでは、それでもフィルムの方がより”フィルムぽさ”が出るのだろうか検証してみた(在宅中はロクなことを考えない)。

ちなみにVSCOそのものは私は使ったことがなかったので、これを機会にダウンロードしてiPhoneで色々いじってみたのだが、これなら普段使っているCP1やLightroomでも似たような加工ができると思いすぐに解約した(画面が小さいのも使いづらい)。よってここではlightroomを使用した。

https://www.instagram.com/p/CAJKkGgjb4H/

https://www.instagram.com/p/CAJKn-FDTpm/

https://www.instagram.com/p/CAJKlaCDTAz/

https://www.instagram.com/p/CAJKmocjHrf/

4枚のうち上からフィルム、デジタルの順に交互配置してある。これらの写真について言えばデジタルの方が綺麗で、フィルムは荒々しさがある。

さらに偶然同じ場所で撮影したものがあったので載せる。

https://www.instagram.com/p/CAJKvvnjFwq/

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正直なところパッと見ただけでは判断は難しい(上がフィルム)。もちろん細部を隈なく見ると、デジタルはモアレが生じているし、画質の劣化もひどい(グレインを加えすぎると尚更)。しかし比べてみると、という次元である。よってフィルムぽさは、元がフィルムだろうがデジタルだろうが加工によって十分に表現可能かと思われる。VSCOなどの加工アプリによって画の上ではフィルムとデジタルの違いはもはや無いだろう。

 

それではなぜフィルムか。これまでの記事でも散々書いてきたことだが、フィルムで撮る楽しみはその過程にある。被写体を見つけ光を読み、露出を決めてシャッターを押す。すべてがスロー。そして現像と印画。これらウェットプロセスはデジタルには絶対に真似できない。 頻繁に行けるわけではないが、私にとって暗室作業は映画を立て続けに4本観るくらいの充実感と発見がある。

Plaza

フィルム写真にはデジタルよりもはるかに撮影者の気持ちが含まれている。フィルム選びから(カラー、モノクロ、ISOなど被写体や場所に合わせて選択する)、注意深いフィルムローディング、ファーストショット、しっかり撮れているのか露出は適切だったか、現像が上がるまでの緊張感、ネガをみたときの感動、スキャンや暗室作業でネガに吹きかけるブロアのサウンドなど。

そんなことを考えながら自他問わずフィルム写真を見るのもまた楽しいものである。

気候が良くなり太陽の時間が増えると気持ちも高まる。こんな季節はポジフィルムで濃厚な発色を楽しみたい。(写真は数年前の夏に撮ったもの)

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Leica M3 | Summaron 35mm | Velvia 100 | 加工なし

 

 

本当に必要な写真は10分の1しかなかった

在宅が長引き手持ち無沙汰の日々が過ぎる。 普段やれない事をやろうとして、本を読んだり、映画を見たり。 写真も整理しないと。

この際思い切って写真断捨離もいいかもしれない。 それでデジタルとフィルム合わせて1万枚以上の写真を洗ってみる。

パッと見た感じ無意味な写真は削除する。無意味というのは、その写真があっても無くても同じと言う意味。

旅行の写真など、例えば街並みを撮ったとする。それを数ヶ月、数年後に見た時、その場の空気というか、感情がリコールされる写真は残す。いわばストーリのある写真。それ以外は無意味とする。

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5D Mark II Zeiss 25mm

スコットランド東にある古城。道に迷ってしまい親切な地元の方の車に乗せてもらいたどり着いた。

 

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EF35mm F2

明け方4時頃のロンドンSt Pancrasstation。タクシーで到着したものの、クレジットカードの運賃支払いができず、外に運転手を待たせたまま構内ATMで引き出して支払いを済ませた。信頼して待っていてくれたタクシー運転手に感謝

 

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Distagon 35mm F1.4

雨上がりのパリ。ホテルから。雲があまりにも美しくずっと見とれていた。

 

そうしてテンポよくMacBookのdeleteボタンを押して1週間近くかけて断捨離した結果、総数の10分の1にも満たない数の写真がコレクションとして残った。 特にデジタルは数に制限がないのでタチが悪い。うんざりするような写真が連番で残っていたりする。10分の1どころでは無くdeleteボタンを押す右手が痛くなるくらい抹消した。

フィルムも同様で、135mm36枚撮りフィルムならばおよそ3枚程度が残しておきたい写真で、ブロー二なら1枚か2枚程度。

しかしそうは言ってもフィルムの方がデジタルよりも明らかに残留率が高い。一枚一枚を構図と光を考えて露出を決めて丁寧に撮るためだ。感情と緊張感も光とともにフィルムに描かれている。

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Rollei 35 - ilford HP5 Plus

ミラノのホテル階下のバーから持ち帰ったイタリアのグラッパというお酒。あまりにもキツすぎて3口飲んで寝てしまった。これは翌朝目覚めた時の写真。コインは不明。

 

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Rollei 35 - Kodak Portra 160

ヴェニスの朝焼け。今の状況を考えると二度と行けないかもしれない場所。

 

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Summicron 35mm F2

学生時代、よく通っていた京都にあるコーヒーハウスのチャイとドーナツ。3年前に行ったきり。マスターは今でも元気にコーヒーを煎れてるだろう。

 

この禍々(まがまが)しい状況が終わりを迎えたら、冷蔵庫に眠っているフィルムを思う存分使ってみたい。

魅惑のフィルム

相変わらずフィルムで撮っている。

レンズやカメラに対して倦怠期という時期で、その辺りにはどうにも楽しみを見出せ無くなった。これまでの金銭的な負担も大きく、計算するのも恐ろしい。幸いなことにローンは無い。買えないものは買わない、買える範囲で買う。いわば沼でこびりついた泥を洗い流して、ヌルめの湯に浸かっているような気分である。

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かつての相棒達

ふと思い立って高解像度フィルムを手に入れた。Agfa Copex Rapid 120。

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これまで高解像度フィルム(低感度)はあえて避けてきた。理由は単純で、その低い ISO がスナップ的な撮り方にそぐわないためである。日中なら問題ないが、ISO20 や 50 では F1.4 でも手持ちの室内撮影はほぼ不可能。個人的には ISO400 がベストで、これに 1/60 F2.8 を基準としてオールマイティに撮影できる。

最近、腰を据えて中判カメラで撮る機会が増えた。普通のサラリーマンのため撮影機会がそうそうあるわけでは無い。それならば撮るときはどっしりと構えて、いわゆる三脚+レリーズ、で作品を残そうという感じである。

フィルムが到着した。早々にハッセルに詰めてみる。なんだかウキウキする。まるで新しいカメラを購入したような気分だ。よく考えればフィルムはデジカメでいうセンサー。フィルムを変えることは新しいカメラを買う事と相違ない。

日中の室内、自然光の下絞れるだけ絞って、20秒近く開いた。

Flowers

現像液は Spur。注意深く26度まで温度を上げる。出来上がったネガを見て、その美しさに息をのむ。そしてスキャンしてニヤける。

Flowers

サスティナブル(持続可能)、という言葉が思い浮かんだ。写真という趣味を長続きさせるためには急がない事。そして散財しない事。カメラ、レンズだけではなく現像液、フィルム、もちろん被写体など違う視点から包括的に捉える事。

Dried Flowers

撮影から現像まで何から何まで時間がかかったが、同時に新しい感覚を覚えた。やっぱり、この趣味は楽しいね。

 

Magnum Contact Sheets

Magnum Contact Sheets

  • 作者:Kristen Lubben
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson
  • 発売日: 2017/10/24
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 

誰がためにフィルムで撮る For Whom the Film Is Taken

写欲は一向に戻らない。最後に記事を投稿してから撮影したのは120フィルム2ロールのみ。猫と花と、正月の家族写真。

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元日の猫 Hasselblad 500C/M CF100mm F3.5

以前から気になっていたZINE。撮りためた材料も集まった事だし、そろそろ1冊、というわけで FUJIFILM で MAGAZINE を作成してみた。

pg-ja.fujifilm.com

フィルムをスキャンしてデータ化したものをオンラインで送信注文。10日後に仕上がった。ハードカバーのタイプなど様々なものがある中で今回は一番薄くて大きいA4サイズの MAGAZINE。画像は全てハッセルで撮影したスクウェア

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PhotoZINE MAGAZINEタイプ A4サイズ

モニター上での色味と印刷は異なるのが普通だが、そこはさすが FUJIFILM、かなり綺麗に仕上がっている。プライスも2000円程度で、個人的にはかなり満足している。

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自動補正なし。モニター上の色味と遜色ない。

一度スキャンしているため中判フィルムの恩恵は全く受けていない。つまり引き伸ばし耐性は関係ない。この状態ならおそらく APS-C デジカメでフィルム調に加工しても見た目はあまり変わらないだろう。妙な考えが頭をよぎる。フィルムで撮る必要があったのかな、と。(GR II ↓ B&W で加工)

Milano

Isola Superiore

『誰かがフィルムで撮らないと、フィルムはこの世から無くなってしまうだろう』 海外の記事で偶然出会ったフレーズ。救世主になるつもりはないが、一つの考えとしては共感できる。しかし私はフィルムで撮った写真はネガやポジとして残る事、これが最も重要だと考える。光による化学変化でフィルムに像が浮かび上がる。それは全く電気的な要素が関与していない、今そこにある存在そのもの。

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Hasselblad 500C/M CF100mm F3.5



個人的には、撮りためたネガやポジフィルムは画家が大量のデッサンを残すのと同じ価値があると考えている。そんな過程を経ていつか自分自身や大切な家族のために作品が出来たら素晴らしいと思う。

 

2020年 新年の挨拶にかえて

 

 

 

 

CineStill BWXXフィルム レビュー

はてなブログ記事を読んでいたらとても豊かなトーンの写真が掲載されていて、大変興味が湧いたので著者にもお尋ねして、早々使用する機会に恵まれたのでレビュー。

CineStill BWXXは元々はEastman Kodak Double-X(5222)シネマ用のフィルムとあってダイナミックレンジ(トーン)が素晴らしい。ハイライトからシャドーにかけてなだらかにつながる濃淡は美しく、モノクロフィルムの良さが全開に現れている。米国製。

Tearoom

普段は自家現像をするのだけれど今回は購入元のSIlversaltさんでお願いした。待つことおよそ1週間。届いたネガを見ると大変美しい。スキャンする前から思わず唸ってしまった。やはりプロが行う現像は違う。

Tearoom

 

シネマ用のフィルムではイタリア製のFerrania P30も使ったことがあるが、あちらはISO80とあって大変粒子が細かい。

Tokyo Skyscraper

どちらも大変好みの描写。

 

しかし、もはやフィルムに感動したのか、現像の素晴らしさに感動したのか分からなくなってしまった。それほどにプロにお願いした現像の仕上がりは、私がバスルームでひっそりと行なっているものとは全く異なっていた。コストの問題もあるが、ここ1番の現像はやはりプロに任せた方が良さそうだ。

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www.silversalt.jp

cinestill double-x bwxxブラックandホワイト35?x 36

cinestill double-x bwxxブラックandホワイト35?x 36

 

 

インスパイアされた記事:

Ferrania P30 レビュー

FILM Ferrania社はイタリア北部のフィルム会社で、1917年の創立以来一貫して写真、映画用にフィルムを供給している。P30はもともと映画用のフィルムだったものを静止画(Still)用にしたもので、1960年代の復興版として再発されている。残念ながら日本での取り扱いはないが、本社のオンラインストアから入手は可能である。

今回上野・浅草を中心に撮影してみた。機材はLEICA M4-PとELMARIT 28mm ASPH。以下所感などを述べたい。

Ferrania P30

ISO 80ということもあり、粒子が非常に細かい。撮影日が曇り空であったため、スカイツリーから眺める遠景に霞がかかりなんともシネマチックな描写である。

Skytree Cafe Tokyo

ISO 80は通常ならば室内撮影には向かない。この時窓から差し込むディフューズされた光が大変美しく、 開放F2.8 1/60で撮影した。ELMARITの性能によるところもあるだろうが、光の描写、シャドーの表現力は見事である。

Ferrania P30

日本への輸入は輸送費などを含めトータルで1本あたり2000円近くになる。しかし自家現像が可能な事、大事なシーンを少し違った雰囲気で撮影されたい方には良い選択肢になると思われる。機会があれば是非。

 

追記: 

マニアックな話になるが、Flickr Ferrania P30のカバーフォトに私の写真が選ばれた。

Ferrania P30 | Flickr

備忘録もかねて撮影状況を記録しよう思う。

外は曇り空だが明るく、露出でいうとISO100, 1/125 f4-5.6程度の、なんとも天然のディフューザーがかかっているような天気だった。上野から歩いてスカイツリーを目指す。

時刻は11時を回ったところで、チケット売り場はそこそこ混み合っていた。数分並んだ後エレベーターに乗り込む。秒速4mというスピードで展望台にはあっという間に到着した。

エレベーターの扉が音もなく開いた瞬間、ドーナツ状に張り巡られた窓ガラスから差し込む、柔らかな光に包まれた展望台ホールが現れた。辺りを見回してから隅田川の見える方角へと進む。窓に近づくにつれ東京の、積み木のおもちゃのような街並みが目の前に広がる。撮影を続けながらホールを回る。スカイツリーカフェの前を通り過ぎる時、綺麗に並べられたグラスやらボウルやらが光に反射して、美しい、と感じた。

撮る瞬間、は理屈で説明できない。ただ美しいと感じた。それで露出を1/60 f2.8に設定し、カメラのシャッターを切った。P30はISO 80のため、予想ではかなりアンダーなネガになると思ったが、窓からの光のみが強調され印象的な写真になった。ちなみにこの後すぐに団体客が目の前を横切ったため2枚目は撮れなかった。 

このような感覚、撮る瞬間を逃さず撮るということ、大切にしたいと思う。