焦点距離 35mmと50mmの使い分け
キットズームレンズから脱却して単焦点レンズの魅力にハマった時、まず悩むのがどの焦点距離のレンズを買えば良いのかということではないだろうか。
超広角から望遠まで一通り触り、そして断捨離してきた中で、現在棚に残っているのは35mmと50mmのレンズのみ。ここで私なりの35mmと50mmの使い分けについて考えてみたい。
35mm
率直にいって万能である。ほとんどのシーンで困ることなく撮影できる。近づけばポートレート、離れれば風景。特に旅先などで背景をある程度、場所が思い出として残るくらいに入れたポートレートを撮りたい場合、間違いない。室内でもある程度の広がりを残した撮影ができるし、大口径を使えば、浅い被写界深度を生かしたボケで、かなり雰囲気の良い写真が撮れる。
難点は単調な写真になりやすいこと。普通に撮影すれば、当たり前だがかなり普通の写真が出来上がる。超広角のようなパースもないし、大口径といえどボケ量もそれほど多くはない。スナップや記念としては十分だが、もし作品等を作る場合は被写体選びから光の方向まである程度真剣に考察してから撮影した方がよいだろう。そういった意味では難易度の高い焦点距離だとも言える。
35mmは人気なので、各社大変多くの個性的なレンズが発売されている。色々試してみてシックリくるものを選ぶのもよいだろう。
50mm
35mmに比べて狭く、85mmに比べ広いというなんとも微妙なバランスの焦点距離で、標準レンズとされるのだが、個人的には望遠のカテゴリーに入ると考えている。
被写体が明確で、撮影が意図的なもの、ペットや家族を撮るなどの場合、大変お勧めする。実際、撮られた写真を見ると、35mmよりも訴えかけてくるものが多い。そういった意味ではさらに85mmなどがよいのだが、こちらは少し使いづらいことが多く、スナップ的で迫力ある写真を撮影するには向かない。やはり50mmの微妙なバランスが良い。
そして50mmは風景撮影にも向いている。
ただ広く撮るのではなく、撮影者が美しいと感じた部分を切り取り強調する時には狭い画角が役に立つ。風景写真家で有名なアンセルアダムスが好んで望遠レンズを用いたのもそのためだろうか。
50mmはさらに沢山のラインナップが揃っている。大口径のレンズも35mmに比べ安価で、楽しめる。
総括
私は35mmで撮るのが好きだが、最近50mmでもいいんじゃないかと思うようになってきた。撮れない範囲を無理に撮る必要はない。本当に必要なものだけ切り取る、そんな撮影者になりたいものである。